成功と失敗

第35話-002の進展

ある日、中村 椿は長年行動を共にした親友を失った。

中村 椿は親友に導かれ、名古屋に移り住んだ過去があった。


親友を失った彼は、親友の意思を引き継ぎ、「名古屋に訪れる人間を増やそう」と計画する。

一番早い方法は、人の心を掌握する事であった。

誰もが名古屋に来る。

はじまりは、そんな純粋な狂気だった。



名古屋深層心理研究会には、中村 椿の他に研究室の若宮トオルと、もう一人の男が所属していた。

しかし彼は、深層心理研究会の研究内容を知り、裏切りを決意する。




施設を抜け出そうとした男を捕らえた中村 椿は、彼に「失敗」と書かれたサンプル002を投薬した。










検証結果の欄には、視力を失う旨が書かれていた。

中村 椿は裏切りこそ許せなかったが、男の持つ「深層心理」に関する知識を諦めることもできなかった。

光を奪い、知識だけを吸い尽くすつもりだった。



しかし投薬後、男の様子がおかしい。

確かに目は見えていないようだが、男はその異質な能力を開花させた。

反射的に身の危険を感じた中村椿は、気付けば男の身体を切り裂いていた。




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