第19話-しゅうげき。
彼女にこれ以上迷惑をかけたくない だなんて
綺麗事ばかり言う自分が嫌いだ。
結局最後まで、彼女に甘えるだけ甘えて、ついに「その時」は訪れるのだ。
でも不思議だ。
私は母の死を止めようともせず、親友と過ごす事を選んだはずなのに、いざ電話が鳴ると出るのが怖い。
しかし無慈悲にも電話は鳴り続ける。
怖い。怖いよ。
「…フラリエ?どうしたの?大丈夫?」
「…ねぇ、ココ。お母さん、死んじゃったよぉ…。」
そう言いながら、鳴り続ける携帯を手渡す。
「え、私に出ろって事…?でも…」
迷う彼女に、もう1度促す。懇願する。
「お願い、出て。」
電話の内容は、私の想像…予想、予知夢と同じ内容だった。
母は、死んだ。
早く仕事が終わり、帰宅した所を強盗に襲われ、殺されたのだそうだ。
今回の夢では、場所や時間は知らされなかった。
つまり…今日、大須商店街に来なければ、私も強盗に鉢合わせしていた。
死んでいたかもしれないんだ。
ココの震える手が、私に携帯を手渡す。
彼女は今、何を考えているんだろう。
私は今、どうしたいんだろう…。どうすれば、いいんだろう…。
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