牛乳一等星とコンポーシャ
マリはお母さんとベランダで星を見ています。お母さんは南の空を指差して「牛乳一等星が見えるよ」とマリに声をかけました。牛乳一等星はピカピカ輝いています。
夜空の星は、手を伸ばして指先で摘めば大抵取れるのですが、牛乳一等星は遠くにあるので届きません。
次に、お母さんは西の空を指して「ほら、コンポーシャなら取れるよ。手をお皿の形にして待っていなさい」と言います。コンポーシャとは、雪の結晶の形をしていて、キラキラしている大きな星です。
マリが手をお皿にして待っていると、コンポーシャは弾けて、それがまた小さな雪の結晶の形の星になって地上に降り注ぎます。ベランダの縁にもコン、コン、と落ちてきて、軽く跳ねて地面へこぼれていきます。マリの手にもいくつかカケラが落ちてきました。
「手をやさしく握ってごらん」とお母さんが言うので、カケラをつぶしてしまわないようにそっと手を握ると、中でパン、と花火のようにカケラが弾けて手の中で小さな星が増えました。
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