世界に災いをもたらす少女

 大きな研究所のような施設の隔離室に、『世界に災いをもたらす少女』が閉じ込められていました。自分がそんなものだとは知らない少女はなんとか隔離室からは逃げ出しましたが、この迷路のような大きな施設を出るための出口が見つかりません。


 慌ててあちらこちらを駆けている途中で靴が脱げてしまいましたが、いつ自分を追って研究員たちが来るかわからないので、拾いに行く猶予はありません。少女は冷たい床を素足で走り回ることになりました。施設内の床はもう何年も誰も踏んでいないかのようにとても冷えていて、痛いほどです。


 ぺたぺたと走っていると、なにも知らない警備員に出会いました。少女は目に涙を浮かべて「足が痛いの、とても冷たいの。お願い、靴をちょうだい」と彼に切実に言いました。警備員は不憫に思い、なんとかしてあげられないものかと考えました。

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