第59頁目 ― 21 ― 回想 ―
― 21 ― 回想 ―
・・・二週間が、あれから過ぎていった。
オレの部屋の中が、とても素敵過ぎるほどの
アフロ教授の言った、イベントの一言でそうなってしまった。
住人の部屋を巡回する訪問イベント。
オレは、全部必死に訪問した。
おかげで部屋の中が、渋滞するほどの混雑で荷物で埋め尽くされている。
これって本当に貰ったのか?それともオレに貸しているか?
どっちつかずの表現がオレの部屋の中を狭くさせている。
部屋の訪問で増えていった荷物。
おかげさまで布団もあるし、テレビもオーディオもDVDもある。
ただ、オレの生活空間が狭くなってしまった。
気づけば、一畳ぐらいしかない生活空間。
周りには、天井に突くような量のダンボール箱の山。
部屋の中をいくら見渡しても、ダンボール箱の山脈が見える。
窓際にも積み重ねられているダンボール箱。
光さえも入らず、昼間でも真っ暗なままだ。
生活の導線が幅30センチも無く、横になりながら山の隙間をぬって通らないと玄関やトイレには辿りつかない。
ってか、物置じゃん。
今、気づいた、もう物置じゃん。
絶対に物置代わりじゃん!。
二週間過ぎて、やっと気づいたよ!。
そして、住人達は次々にオレの部屋に勝手にダンボール箱を置いて行く。
「勝手に使っていいから貰ってくれ!」 そう言って、置いて行く。
オレは、いったい何が入っているのか?と思い、ダンボール箱を開けてみる。
一つの箱には、箱いっぱいの女性のアダルティーな変態下着。
一つの箱には、ガンプラやフィギュアが満載に。
一つの箱には、過激なアダルトグッズ。
一つの箱には、PC-9821とPC-9801の凄いレトロなパソコン。
一つの箱には、プラモの枠だけが・・・たったの2000枚はあるランナー。
一つの箱には、いらなくなったような本やゲーム。
一つの箱には、色んなコスチューム・・・メイドにナースにセーラー服・・・
と、色々とあるダンボールの数々。
オレは、どうやって勝手に使うのか戸惑ってしまう。
とりあえず。気が向いたら使用してみようww。
二週間。長かった・・・
回想しても素晴らしいぐらいの住人の部屋。
趣味に、マニアに、ヲタクに、コレクター。
ちょっとした言葉で全てが微妙に違う世の中。
このボロ・アパートによくぞ集合したものだ。
オレは、アフロ教授に言われたとおりに一号室から訪問が始まった・・・
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