第54頁目 ― 20 ― 再会 ―
― 20 ― 再会 ―
オレは、まともなコンビニでおにぎり2つを買った。
その時、タバコを買い忘れた事に気づく。
あっ!。タバコを買い忘れた!
まあいいかあ、自販機で買えば・・・
コンビニ前に設置されたタバコの自販機に足を向けて歩き出す・・・
すると、自販機の前でたむろする三人のJKの姿が目に止まった。
いかにも[あたい達、不良だけど、なんか文句ある?]と言う、凄くアピールしている激しいオーラが見える。
それも堂々と当たり前のようにタバコを吸っている。
オレは自販機に近づき、タバコを1つ買い、
そして、笑顔を見せながらJK達に振り向く。
「今日はどうしたの? 学校は?」
見知らぬJK達にフレンドリーに聞いてみる。
オレに激しく突き刺さる上目使いの上等視線。
ヤ、ヤバい!。
これはきっとヤバい!。
は、話しかけなければ良かった・・・
オレのこめかみから、冷や汗が溢れんばかりに流れ落ちていく・・・
べ、別に怪しい者じゃないし、決して下心で話しかけたわけじゃない。
オレは、ちょっとビビりを見せつつ何もなかったように過ぎ去ろうとすると、
「お兄さんカッコイイね。あのカッコイイ俳優に似ているね」
と、しゃがんでいるJK・Aが見上げて言う。
「えっ?誰?カッコイイ俳優って?。あまり言われたことはないけど、似てる?」
なんとなくテレながら聞いてみる。
でも誰だよ、その俳優ってww
「マジ似だよ。激似と言ったほうがいいな・・・」
自販機の横に背を付けて座っている、JK・Bが上目使いに言う。
「え、あ、はい。あ、ありがとう。そうかなあ?そんなに似ているかなあ?・・・はははははは・・・」
思わずお礼の言葉をテレながら言ってしまうオレは、
「で、でも君たち、まだ、JKなんだから、 タバコは、吸わないほうがいいよ。
タバコはお金がかかるからね・・・」
と、かなり大きなお世話な言葉が、思わず口から出てしまった。
その瞬間、凄く重くも、かなり危ない血を見そうな空気が時間を止めた。
あっ、なんか、
ヤ、ヤバいぞ、これはヤバいぞ・・・
ここは逃げなきゃ・・・
オレは顔を引き
「わたしたちぃぃぃ、ちゃんとぉぉ、、バイトしてるしぃ~。お金もあるしぃぃ・・・うるせぇんだよパ~カ!。ヘタレは早く帰れよ!」
地面に座り、スマホでLINEをしながらタバコを吸っているJK・Cが言う。
・・・あっ、
本当にヤバい空気になっている?もしかして?
このままだと、オレはボコられる?
早く去らないと・・・
「そ、そっかあ。じゃ、じゃあ、いいや、好きなだけ吸いなさい・・・。
そして、早く肺癌になって亡くなりなさい!」
オレは、余計な事を一言 言うと、全速力でその場をマッハで駈け逃げた・・・
・・・全速力で逃げて来たオレ。
安全だと思う場所まで逃げ、その場で両手両足を広げて仰向けに倒れる。
息が苦しい・・・酸素が足りない。
はぁ、はぁ・・・息が!。
走りすぎて息が苦しい・・・
やばい、過呼吸が止まらない・・・
ここまで来たら、あのJK達も追っては来ないだろう・・・
でも、あまり知らない人には声を掛けないほうが良いなww。
オレはとりあえずそう思った。
オレは両手を広げて、仰向けに青空を見ていた・・・
仰向けに見た青空は、昨日と違って、とても爽快だった。
何度か深呼吸を繰り返し、呼吸を戻す。
深呼吸している間に、微かに匂ってくる潮風・・・
この距離だと、黄金岬の潮の匂いだな・・・
じゃあ、黄金岬にでも行ってみるか?・・・
オレは呼吸が戻ると、その場から立ち上がり、黄金岬へと歩く事にした・・・
【この物語は、未成年の喫煙に対する
法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません】
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