第40頁目
「もう、みんな集まっているのか?もしかして?」
オレは、右手の親指と人差し指で輪を作り、五百円玉の大きさぐらいの指の輪から、目的地の灯りを覗く・・・
そして、微かに匂ってくる肉の焼ける匂い・・・
「おっ!おおおぉぉぉ!、何かいい匂いしてきたぞぉぉぉぉーーー!」
・・・この匂いはジンギスカンの匂いだ!。
北海道ならではのタレ付けジンギスカンの匂いだ!。
北海道では主流のタレの味がしみこんだ、味付けジンギスカン。
腹ペコを一層に誘う、タレのいい匂いがする。
さすが、北海道って感じの匂いだ!。
七・三分けつぶれ饅頭が、私有地に立てていたテントが見えてきた。
もう、みんなが集まっているようだ。
えっ?もしかして、もう始まっているのか?
オレは、テントの灯りに吸い込まれるようにたどり着く。
「あれ?もう始まっているんですか?
フライド・・・いや、管理人さん。八時からだったんじゃないですか??」
苦笑いで、フライド野口さんに近寄り、
「やあ、藤沢さん遅かったね。
いやいや、八時のはずが、待ちきれない住人が勝手に始めちゃって・・・」
フライド野口さんが赤い顔で陽気に言う。
そ、そうですよね。か、勝手に始めちゃったのならしょうがないですよね?。
もう、始まっちゃっているんだもん、本当にしょうがないよね?
まあ、どうでもいいけど、オレとしては時間通りに始まってほしかった。
でも、たとえ七時から始まっていたとしても、今はまだ七時五十分弱。
・・・350mlや500mlの缶ビールの空き缶が、もう、
テントの後ろで山積みになっている空き缶たち・・・
い、いや焼酎やワインやウィスキーの瓶やペットボトルもあるぞww
お、おいおいおい、どれだけみんなザルなんだよw
オレとガイコツを抜いて、七人。
って事は?。
こんなに空き缶や空き瓶を積むって事は・・・
あきらかに七時前から飲んでいるのは確かだ・・・
もしかして、このペースだとオレがこの場所を去った後から宴会をやっている気がする・・・
多分、オレの推理は正しい。
もう、ポワロやホームズや金田一耕助も驚くほどの名推理かも知れない。
オレは苦笑いを浮かべながら空いている席に座る。
木目の長いテーブルの上に、三っつのプロパンガス使用のガスコンロが置いてある。 ガスコンロの青い炎が
その炎の上には、大きな鉄鍋がある。鉄鍋の中央には縦溝が四方に三本ずつ入っている。肉の汁を鍋の円型周辺の側溝に集めるためだろう。
これが、ジンギスカン鍋のスタンダードだろう?。多分、北海道では・・・。
鉄鍋にグツグツと音を立てて、円型側溝にはまんべんなく積み重なる、肉の上に
もやしもやしもやしもやしもやしもやしもやしもやしもやし・・・・・・
鍋の山の溝においしそうに張り付く、ラムの肉たちとスライスされた玉ねぎとの素晴らしいハーモニー、とても最高だ!・・・
それにしても、とてもとてもとても、凄い質素なジンギスカンだ!。
でも、そんな質素さがジンギスカンを引き立たせ、味がもやしや玉ねぎを美味しくさせる。
まあ、個人差や家庭の習慣などなどの場合はあれど、
地域の場所によっては、
主役の、生ラム肉や味付けラム肉。時々マトン肉。に、豚レバー。や、さつま揚。や、こんにゃく、わかめ、キャベツ、スライス玉ねぎや、半分・四分にしたおおざつぱに切った玉ねぎ。や、人参、ピーマン、かぼちゃ、さつまいも、しめじ、えのき、舞茸、もやし、や、五目もやし。に、アスパラ・・・などなど。
も色々と入れたりするのもあるが、シンプルが一番だと思うんだ。
やっぱり、ジンギスカン。って感じがするもんなあ。
ちなみに、ラム肉は幼女の柔らかい肉で、マトン肉は年寄りの硬い肉と覚えていた方が肉を美味しく食べられる気がするだ。
オレは空いている席に付くと、周りをキョロキョロと見渡した。
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