第45話 Ⅹgoddess


 はい!

クーラーよぉし!

窓閉めよぉし!

布団よぉし!

テレビよぉし

はい、アニメ見よ。


「・・・彼方さん。だらけすぎじゃないですか?」

「・・・そう言うお前も布団入ってテレビ凝視してるけどな」

てゆーか、近い。

アロラさん、近いです。布団から出て!

「もう、動きたくないです」

ぐーたらだな!!

女神そんなんで良いのか!!?


 テレビでは、バトル学園モノのアニメが流れている。

今期からの新作アニメだ。

面白い。面白いんだけど・・・・・・、集中できひん。

アロラが目の前で、寝そべっているせいで、よく画面が見えないし。

あと、髪の毛が・・・・・・当たる。

 俺は耐えきれず上半身を起こした。


 そして、そこにある“顔”にぶつかった。

「うぉぉおぉおお!!?」

あ、焦ったぁ・・・・・・。

よくよく見れば、それは見知った顔で。

「メム、タチア・・・・・・?」

「メムタチアなの」

目の前の彼女はこくりと頷く。

「え?メムちゃん?」

アロラも声に反応する。

 ・・・・・・メムちゃん?

やっぱ知り合いか。


 「びっくりしました。まさかメムちゃんがここに下りてきているなんて」

「下りてきてるの」

女神の会話だ・・・・・・!

人類初じゃないか?こんな光景見てる俺って。

いや、女神を見たやつ自体初かな。

分かんないけど。


「気になってたんだけど、女神って何人くらいいるんだ?」

「そう、ですね。年代によって違うんですが」

「そうなんだ?」

「1つの都道府県に大体・・・・・・」

「大体・・・?」

「100人くらいですかね」

「多っ!!え!??多っ!」

100人って、ええ!?

2クールのアニメの話数より遙かに多いんですけど!

「まぁ、ウソですが」

「ウソかいっ!!!」

こ、こいつ・・・・・・!

ウソの付き方が、厭らしい・・・・・・。


「10人、なの」

「そう、なのか?」

「そうなのです。少ないでしょう?」

ああ、お前の言ってた10分の1だな。

「そして、それぞれの女神はそれぞれの担当の領域を観察しているのです」

「なるほど。そういうシステムか・・・・・・」

「ウソですが」

・・・・・・。

もう信用しないからな。

「皆、ダラダラしてるの」

「まるで、彼方さんのようにですね」

アロラのは余計だよ。

てゆか、それで大丈夫か、女神たち。


 10人の女神、かぁーーー。

あと、8人いるわけだ。

会えるかは知らんけどな。



 あ、アニメ流れっぱなしで見てなかった。





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