第9話 面倒臭がりでも班長がしたいっ!?(いや、やっぱしたくねぇわ)

 「えぇー、ま、そういうことなんで、とりあえず合宿での個々の役割を決めます」

 いや、どういうことだよ、小泉T!!

明日から、合宿って、なんだそれ・・・・・・・・・。

めんどくせぇわぁ、行きたくねぇわぁ・・・。家でゲームしてたいわぁ。

てか、そんな大事なこと伝え忘れんなよ!


 「えー、と。じゃあまず活動班の班長を決めまぁす。班員はこっちで勝手に分けさせて貰いました。今から配るしおりに乗ってるんで」

小泉先生が、合宿のしおりと書かれた冊子を配る。

冊子の中間くらいのページにある名簿から、皆、早々と自分の名前を見つけ出し班員を確認していく。


ーーーって、俺の班、アロラいんじゃねぇかっ!!

これまたお約束だな!

あ、山田もいる・・・。


合宿班は、全員で6人らしい。

アロラと山田以外は、知らない名前ばっかりだった。

まぁ知らないやつばっかよりはマシか・・・・・・・・・。


 「えー、じゃその班の形に机を動かして、班長を決めてくだぁさいっ!!」

ガタガタと机の大移動が始まる。

こういう時に寝たくなるんだよなあ。

俺達は2班。教室の端っこに6人が集まった。

なるほど、顔も見たことないやつがいるぞ。


 そして、誰も喋り出さない・・・

 俺達3人以外は、眼鏡をかけた背ぇ小さい男子が一人。ショートカットとロングヘアそれぞれの髪型の女子が2人。

 女子2人の方は、確か入学当初の自己紹介で双子だと言っていた・・・と思う。

顔も瓜二つだし、同じ髪形にしたら見分けつないんだろうなぁ。


 そして、やはり誰も喋り出さない。


 山田に目で訴えかける。

(おい!お前が仕切れよ!人見知りじゃないんだろ!?超絶人LOVE野郎なんだろ!??)

山田も応じ、目で、

(面白そうだし、このままでぇ~)

・・・・・・・・・こいつぅ!!


メッチャ気まずいじゃねぇか!!

眼鏡男子は根暗っぽいし、女子2人は似たような仕草でモジモジしてるし!

だ、誰か仕切れるやつは!!


「じゃあ、とりあえず班長を決めませんか?」


そう言ったのはアロラだった。

お、おぉ!そうだ!お前がいたよ!仮にも女神だしな!!このまま班長もやってくれアロラ様!


 「ええと、私は富士見 彼方さんを班長に推薦します」

 ・・・ん?

・・・・・・・・・あれぇ?

「あ、アロラ?何言って」

「賛成の方は挙手をお願いします」

そして、全員挙手。

「・・・・・・んなっ」

いや、そりゃお前らの見た目上【班長とかしたくねぇオーラ】が伝わってくるけども!!

 くそぉ!山田がにやけてやがる!!

「彼方さん、いいですか?」

「い、いや、お前がやれよ!」

女神じゃねぇのか!と小声で付け足すと、アロラは俺の耳に口を寄せ、

「彼方さんが地球を救うミッションに参加してくれない限りは、苛め続けますからね」

すげぇ、冷たく言い放ってきやがった。

 こいつ、女神じゃねぇ・・・・・・・・・。悪魔だ。デビルだ!魔王だ!全国チェーン店で働く魔王様だ!!

「はぁ・・・・・・・・・。分かったよ、やればいいんだろ?」

「決まりですね。彼方さん、お願いします」

そして、いつものようにニコッと微笑む女神さん(悪魔)。



 クソ・・・・・・・・・。なんで、半引きこもりで、面倒臭がりの俺が、合宿の班長なんか・・・!



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