雨月物語

 彼は文豪というんでしょうか。むしろ古典のような気もしますが(笑)

上田秋成あきなり著『雨月物語』

名前は、秋成しゅうぜいと読む人もいますが、私はこちらで。


 江戸時代に刊行された短編小説です。全部で9話ありますが、そのほとんどが痴情のもつれ。だいたい女性が怨霊となって、男性に恨みを晴らそうとしてます。

(男が悪いんですけどねー)


 そのなかで私が一番好きなのは、「菊花のちぎり」という話です。

これは、義兄弟の契りを交わした二人の男性の話です。

あるみすぼらしい病を持った男が、小さな村に辿り着きます。彼を哀れに思った心優しい青年は、その男を心を込めて看病するのです。しかし完治した男は、役目を果たすために故郷に帰らなければなりません。義兄弟として楽しく暮らしていたのに、青年は寂しくて仕方ありませんでした。

「菊の節句(9月9日)までには帰ります」

 男は、そう約束して故郷に旅立ったのです。


 いろいろ省略しちゃいましたが、二人の心の絆が美しいんです。『雨月物語』では珍しいんじゃないでしょうか。


 口語訳も出ていますし、現代でも特に女性は「分かる!」と思えるものばかりだと思いますよ。

 江戸時代の、庶民感覚の男女の泥沼を垣間見ませんか?

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