津波からの生還 東日本大震災・石巻地方100人の証言

 これはもう、あの日から5年です。読みましょう。


 東日本大震災では、多くの人が予期せぬ大きさの津波にのまれて亡くなりました。東北地方は、もともと地震による津波の経験がある場所らしく、今までどこまで津波が来たか、どこに避難するのかを各地区で周知していたそうです。

 しかし、ここまでは来ない。ここは大丈夫だという安心によって亡くなった方が大勢いらっしゃっいました。

 本書は、偶然が重なって津波から逃れた人や奇跡的に家の屋根に上がることができた人の話です。


 私が本書を読んで、はじめて知ったことがあります。津波は第4波まで来ていたことです。しかも、3回、4回となるごとに大きくなり、被害が拡大したという事実です。

 被災された方が見た実際の状況はもっと酷かったろうと思います。

「まさに地獄絵図」「戦後のよう」だと書いてありました。きっと想像を絶する寒さと恐怖があったろうと思います。


 海から数キロ離れている2階は安全だろうと家族で2階に避難し、最終的に屋根の上まで追い込まれた家族の話。流されていく老夫婦を助けた少年の話。自身が流されていて、助けてもらった人の話。仕事道具でもあり、宝でもある船を守るために津波が来る前に海に出てどうにか生き延びた人の話。


 ここには、あの日のリアルがつまっています。テレビでは放送されない、人間の本当がつまっています。


 地震大国・日本に住む人間として、本書を読み、なにかを感じていただけたら幸いです。

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