開幕

「と、いう訳でサンプルはこんな感じです。これ以降もWEB小説にありそうなフレーズを、いろんな魔物達が真似していきます!」

「……貴様、我のモノマネをしおったな? なんだ、あの悪意満載なマネはっ!」

「モノマネは悪意の塊。魔王様もご存じのはずでしょう? 魔王様が『あぁ、時折見かける駄目魔王にもこんなキャラいるよなぁ……』って台詞を吐いたら、誰だって真似したくなります」

「どうやら貴様、我に殺されたいようだな。この大会が貴様の墓場だと思うがいい!」

「良いんですか? 遺言として『サキュバスのおっぱいについて、地の文で熱く語る魔王様』ってネタも見せちゃいますよ?」

「なっ!? 何故、我の若い頃の心理描写を知っておるのだ!?」

「大掃除の時、魔王様の部屋にあった自伝を読んだのですよ。いやぁ、あの気持ち悪い描写はびっくりしましたよ。ハーレム展開しか考えられない中学生みたいな雰囲気が出てました」

「死にたいっ! めっちゃ死にたいっ! いますぐ土に穴掘って死にたいーっ!」

「魔王様、貴方はモノマネを甘く見ていましたね。モノマネは我々が楽しむと言う使い道だけでなく、対象に『人々はお前にこんな風に見られてるぞ』と伝える効果もあるのです。それを忘れてはいけません」

「ぐぅ。そんな効果、嫌すぎる……」

「魔王様のモノマネだって、よく来るB級勇者が元ネタでしょう? 彼らの前であのネタやれば、きっと面白い事が起きるでしょう」

「わ、私も、あのネタを、見張りの、奥さんに、見せたら……すす、少しだけ、待遇が、良くなり、ました……」

「この奴隷、大人しい言動の割に狡猾すぎる……。と言うかモノマネの時だけドモリが無くなるとかなんか怖いぞ」

「さぁ、それではこれより様々なネタが披露されます。果たして元ネタの人物が悶絶するようなネタはどれほどあるのか、凄く楽しみですね! では第一回戦、スタートです!」

「そんな部分を楽しみにするな」

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