第二回大会

オープニングトーク

「はい! ついにやってきました、第二回『細かすぎるけど多分伝わるWEB小説モノマネ大会』! ご好評にお答えして、早くも第二弾の登場です! 魔王様、今回も審査の方よろしくお願いしますね!」

「む? 側近よ、この大会は『人と魔族の行動に関する研究発表会』ではなかったか?」

「本来はそう言う設定なのですが、コンセプトが分かりづらいし特に大会名にこだわる必要ないとの事で、以後は大会名は前者で統一しようと思います」

「相変わらず適当だな……。で、今回は前回の続きのような感じか」

「確かにそうですが、ほとんどの者がまったく新しいネタを用意してますし、新人も多いので飽きる事は無いと思います。更に後半ではちょっとした新たな試みもやる予定です!」

「ふぅむ。まぁ、適度に期待しておこう」

「あ、そうだ。今回はゲストをお呼びしているんですよ」

「ゲストとは大層な。ついにこの大会も、テレビ番組みたいなノリを前面に出し始めたと言う訳だな」

「そんな皮肉めいた反応しないでくださいよ。ではお呼びしましょう、ゲストの『昨日買った奴隷』さんです」

「……あ、あの、その、よろしく、お願い、します、です」

「吃音症の奴隷だな。なぜこの奴隷をゲストにしたのだ? もっと大物もいただろう」

「魔族のゲストだとインパクトないですし、人間と対立してるって設定があるせいで人間もゲストにしにくい。なので人間の奴隷を買ってゲストにすればいいかな、と言う発想に至りました。ちなみに吃音症の奴隷にしたのは、魔王様と私との会話に混じっても見分けをつけやすくするためです」

「相変わらずよく考えてるんだかよく考えてないんだか分からんな、お前は」

「実はこの奴隷、モノマネもできるんですよ。なのでまずは彼女にお手本を見せてもらいましょう」

「何、本当か。それではさっそく見せたまえ」

「……あ、で、でも、わたし……はず、恥ずかしい、です。ご、ご主人、様も、一緒に、やって、欲しい、です……」

「いやいや、さすがに我はモノマネをする気など……」

「ですが魔王様、前回の総評で『魔王様もお手本を見せてくださいね!』と言う私の台詞に『まぁ、考えておこう』って言ってましたよね? つまりネタを考えてくれてるはずですよね?」

「ぐっ! ぜ、前回大会の台詞を掘り返すのは卑怯だぞ!」

「事実を言ってるだけで、特に卑怯ではないと思います。で、そこんとこどうなんですか?」

「――ネタはあるが、やるのは恥ずかしい。モノマネなんて見た事しかないからな……」

「大丈夫、誰だって最初は恥ずかしい物です。私も一緒にやりますよ。魔王様のためなら、恥ずかしさを共有する事ぐらいわけありません!」

「むぅ、そこまで言われたら断れんな。仕方ない、ネタを見せてやろうではないか」

「よっしゃ、自信作披露できるー! ……コホン、ではまずは我々三人のお手本から始めましょう」

「貴様、実はすっごくノリノリだな!?」

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