第107話 神様のエール。と、ひみつの神様事情。
間接的に神様が手を貸すと言う。
それって一体どんな
「えっと、つまり…?」
『場所を教えるからそこへ行って学び修行をすればいいってことだね。我は応援しているよ』
「…はい!ありがとうございますっ」
『君は空間魔法を収納に使っているようだけど、生き物が存在できる空間を想像できれば修行場にもできる筈だ』
「ふぇ?…はっ、そうだ。そうですよね!」
何となく固定観念で亜空間には生きているものは入れられないって思っていたけど…そうだ。
例えば酸素や窒素、あるいは適度の重力等の必要な環境を想像さえすれば。
無限収納と同じように無限の空間は
『時間を自在に扱うことはできないだろうが寝る前にでも亜空間修行場に行ってなんでもやってみるといい』
この世界に落ちる前の狭間に似た場所を思い浮かべる。
あの時のように実験するなり練習するなりすればいいってことか。
それに魔法を使いまくれば魔導石もゲットできる!
修行場と魔導石と一石二鳥だし!
「ありがとうございます!神様たち!」
『ああ、しっかり励めよ』
『うん。君の頑張りを見ているよ』
なんだかんだ言いつつ異世界から流れた少年を手助けしている上位神に胸が少しざわつく。
「…我より気にかけてないか?」
「ん?あーまあ他の下界人より結構気に入ってはいるかもな。
「え…?」
気づいたら泣いていた。
我自身訳がわからず戸惑っていると少しの間思案するように沈黙していた上位神ジャクトスがふうん、となにか理解した風に目を細めて笑う。
「ようやく妬いてくれるまでになったか」
「?!」
言われてはっとした。
初恋だった彼をとられるといった気持ちは全く湧かず、それよりジャクトスに我を見て欲しいような欲しくないようなもどかしい気持ちだった。
じわじわ首から顔へ熱が上ってくる。
「なあピスケ、お前よりきっと俺の方が妬いてるさ。あのガキより俺を見ろ、ってな」
ゆっくりと至近距離まで近づく相手を凝視して待つしかできない。
「ジャクトス先輩…」
「ん?ちゃんと言ってみ?」
優しくて熱くて、甘い瞳から逃げられない。
さらけ出す事しか許されない、甘く狂おしい緩やかな拘束にすぐに我は音を上げる。
「……あのこも心配だけどでも!我も、我もかまって…」
「…ん、いいこだ」
「あまねく下界の者たちは俺たちの子供みたいなもんだが、あれは特別俺たちの子なのかもな?」
「ッ!そ、そん、んな言いながら撫でない!」
「うん?何て?」
「ぁん!お腹触っちゃダメ…ぅ…」
「もっと子作りするか…ピスケ…」
「あ…ッ」
我が直接産んでるんじゃないんですけどね!先輩のばか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます