主人公の良し悪し


 物語の主人公。


 それは物語を作る上で力を入れなければならない部分の一つだ。


 あえて力を入れなければならない部分の一つとしたのは――自分の経験上、物語を成り立たせる、その先の面白くさせるための要素は沢山あるからだ。


 それは悪役であったり、物語の進行役の配置だったりとか、舞台設定だとか、起承転結とか、ヒロインの造形とか・・・・・・面白い作品作りをする上で一番大切な物は? と言われたらもうキリがない。


 その対極が博打と言う言葉である。

 クソ小説の教科書みたいな作品が人気出て、アニメ化して、下手なアニメよりも円盤売り上げしている昨今では認めたくはないが強ち間違いではないだろう。


 話を戻し、主人公の造形について語ろう。


 自分の作品のこれまでの主人公はどんな奴か? と思い浮かべると大概オタク要素があったりする。

 流行の二次創作だと転生チート要素もある。


 DQN的な人格を持つ物はほぼ皆無だ。


 大概オタク要素があったりする。

 これはもう作者の趣味であるが、同時にその方が書き易いと言うのもある。

 

 闇乃 影司とかもそうだ。

 闇乃 影司はブログで掲載しているヒーローロード2afterYearやハーメルンで掲載しているマブラヴ二次創作の主人公、そしてヒーローロードの登場キャラの一人だ。


 男の娘とかメチャクチャ強い上に精神的に脆かったり、ハーレム築いていたりとか作者の趣味が丸見えである。


 更にはゴーサイバー(PIXIVに掲載)と言う作品の主人公も「ヒーローに憧れていた」と言う要素を持つ。

 これを「オタクかどうか」? と言われたら作品の世界観で判断して貰うしかない。

 ゴーサイバーは変身ヒーローが沢山実在していた世界観だ。

 だから憧れる男子は大勢いただろう。

 彼もその一人でしかないとみればオタクではないと言えるだろう。

 その変わりに本編開始前は暗い引き籠もり少年だったが。


 色々と考えてみた結果、自分の作品でオタクじゃない、転生者要素を持たない主人公は割合的に少ない事に気付いた。

 なくても何かしらのネガティブ要素を持つ。

 

 何だかんだで自分は「なろう系作家」なんだろうと思う。


 小説家になろうがまだ二次創作の投稿を禁止してなかった時代の頃から主人公にオタク要素と転生要素はほぼ絶対と言って良い程あった。


 それに準じて多いのが異世界召喚物の主人公とかだがこれは機会があれば語ろう。

 

 さて続いての議題は「どう言った主人公が読者に受けいられるのか?」であるが、これはもう世に出ている人気作の主人公を見ていけば分かる事だ。


 例えば「とある魔術の禁書目録」。

 

 不幸なツンツンヘアーの少年、上条 当麻は右手に相手の異能力を打ち消すだけの能力しか持たず、それでいて様々な事件に巻き込まれる不幸な少年だ。

 

 だが事件を経ていく度にどんどん女性との関係が構築されていく主人公である。


 他にもこの作品は浜面や一方通行と行った主人公達を含めて三主人公と言うスタイルを取っている。


 またスピンオフ作品を含めると本作のヒロイン御坂 美琴が主人公のタイトルもあるし、脇役でしかないようなキャラクターもキッカケ次第でスピンオフ作品の主人公に抜擢されてしまうと言う凄いタイトルでもある。

 

 作者の技量の凄さが垣間見える作品でもあるが、よくよく観察していけばとても勉強になる。

 

 そしてこの物語の主人公、上条 当麻。

 前置きしていくが彼にオタク要素や転生転移要素などない。 


 禁書の物語を知っている人間であるならば、よくよく考えれば彼の持ち味を最大限に活かすための物語や舞台設定がされているだろう。


 またこれは単なる偶然ではなく、ちゃんとした理由すらあり、その伏線は最近になってやっと回収されたばかりだ。(この作品は色んなところに伏線が張られていてそれが読者に衝撃を与える爆弾になっていたりする)


 不幸設定も作中の登場ヒロイン達と関係を深めたりお色気要素を投入する説得力である。

 注目すべき部分はハーレムが幾ら増えても読者に納得を持って受け容れられているところだ。


 ハーレム要素と言う奴は好き嫌いが別れる要素である。

 チートとハーレム要素でチーレムなんて言われて嫌悪されてしまうぐらいだ。

 だが上条さんにはそれがない。

  

 チートではなく、ハーレム要素しか持たないがそれでも受けいれられるのは何故だろう?


 答えは作中の彼を見れば一目瞭然だ。


 読者の冷めた心に火を付けるような熱い言葉の数々。


 ここぞと言う時の行動力。


 例え戦う度に病院送りになっても(経済的にピンチになっても)、右腕を振るい続け、時には右腕だけでなく機転を利かしてどんな困難をも乗り越え(ハードルが高すぎてインフレしているが・・・・・・)、そして自らの不幸すらもその精神で乗り越えていくその姿。


 これぞラノベの主人公に求められる一つの到達点だろう。

 

 一方通行や浜面 仕上と言った他の主人公達もおり、それぞれの魅力があるが、彼達に共通しているのは「他人の為なら自分の命すら省みず、どんな困難にも立ち向かうその姿」である。


 そしてこれこそが昨今のチーレム系主人公との明暗を分ける大きな要素だと思う。


 私の友人はよく物語を作る上でチートを嫌うのだがこの辺りが関係しているのだろう。


 自分の作品の中でゴーサイバーがやたら好評なのは意図せずそんな主人公を作り出せたからかもしれない。

 

 何しろチート主人公に困難を与えても生半可な困難は「チート」で解決してしまうからであり、どうせ「チートで解決してくれる」的な単調な物語が出来上がってしまうのだ。


 ようするにチート主人公と言うのは料理で例えれば超高級食材であり、生半可な腕ではその食材を活かす事は出来ないのだ。

 また腕が悪ければスグに飽きが来るのも難点だ。


 中にはそれでも面白い作品を作ってみせている実力者はいるが、「自分は物語作りの素人です」と思っている方は避けた方が無難だろう。


 にも関わらずどうしてチート主人公はこうも多いのかと言えば、自分もそうなのだが「チート主人公=面白い作品」もしくは「楽かつ手軽に物語を進められるから」である。


 まあ何が言いたいかと言うと作者自身も頭を捻って困難にぶつからないと良い主人公は作れないと言う事だ。(もしくは展開が単調になって物語の寿命を縮めてしまう)


 多くのWEB小説家を敵に回す発言だろうがたぶんそう言う事なのだと思う。

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