拘束



―――――――――――どのくらいこの状態だったんだろう――――――――――



何時間経ったかも分らないけど、僕は薄暗い空間の中に宙吊りにされている中で意識を取り戻した。


体の全身に締め付けを感じる、これは......なんだか良く分らないけどロープみたいなのを全身に縛りつけらて吊り上げられているようだ。




 どうしてこんな事になってしまったんだろう。


「確か、電話ボックスで母さんと電話してて......その後」


 そうか、電話ボックスで自衛隊員に囲まれて、暴れたら電気ショックみたいなの当てられて気絶しちゃったんだ。



「それ、モノローグが独りでに口から出てるってやつ?それとも、私の事あえて無視してるだけ?」


その時、下の方から女の子の声が聞こえてきた。


「え?」



「下みてみなよ......そんなに高いところ宙吊りにされてるのにその上天井見てるから、よく分らないだけでしょう?」




「あっ」




「やっと気付いたのね」



「君は誰なの?」



「女の子に名前聞くなら、自分から先に言うべきでしょう?鈍いね......付き合った事とか無いでしょう?」


「うっ......」



「はあ~これだから草食系は、分った私はユキ、一人SM楽しんでいるあんたの名前は何?」



「僕っ僕はそんな趣味ないよ!」


「もてない上に冗談も通じないんだね」


「僕の名前は平井 優斗......」



 なにコイツ?すっごいムカつくんだけど。下にいるから良く見えないけど多分ブス。



「とりあえず、そんなとこで馬鹿みたいに吊るされてないで、下に下りてきてよ!」



はあ?何こいつブスのクセして馬鹿なの?僕がどんな状態か良く知ってるくせに!



「あのねえ!悪いけどどうしたら教えてくれる?僕にはここからどうやったら抜けれるか全くわからないんだよ!」



「そうやって今まで他人に頼ってばかりだったんでしょう!そんなの自分で考えなよ!私が適正があるかどうかなんて分る訳ないじゃない!」


 くそぅムカつく!なんだこの女!......適正?何言ってるのこいつ?ブスで馬鹿な上に意味不なこと言ってるよ。


「そんな事言ったって僕だってこんながっちり縛られている状態からどうやって抜け出すなんて分るわけ......」



―――このトラップは低レベル 抗吸収タイプだな、しかし酸素レベルを上げれば造作もないことだ―――



 えっ何考えてるんだ僕は?



――――ゆっくりと深く息を吸って深く吐く、ゆっくりとだ、急いで吸い込むと高濃度酸素になるぞ――――




 まあ何だか分らないけど、息を深く吸うと。


 頭がくらくらする。


 何回か息をすって吐くと、僕を縛り付けていたロープみたいなのが、透明な粒粒に変わり僕の周りから徐々に消えていくのがわかる。



「やった!ほどけた!やった!出れる」


「馬鹿!! 早く着地の姿勢を取って!」


 喜んだものつかの間、僕は拘束が解けた途端、下に向かって落ちていった。













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