耳鳴り

ジッ!ジジジジジジ......ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「あっまた始まった」


 最近というか、この前廃屋であの緑の大男に会ってから、時々耳鳴りがするようになった。



 今日は耳鳴り酷いな やっぱり、ここが静過ぎるからかな?



 そんな事を思いながら何度か寝返りを打っていると、笹村さんを起こしてしまった事に僕は気付いた。



「どうした、眠れないのか?」



「あっ起こしてすいません......なんだか眠れないみたいで、少し散歩して来てもいいですか?」



「ああ構わないが、ただこの校内は広くて何度も増改築してるから作りが複雑だ、夜中の迷子探しは勘弁してほしいからできるなら、外の散歩にしてくれると助かるんだが......」



「そうですね、分りました、校庭を少し歩いてきます」



「気をつけてな」




 さっき入ったドアから校舎を出て、校庭に出ると月明かりに照らされているとはいえ、閉校になった学校の周囲は外灯も無く薄暗く気味がわるかった。



校庭にある、ベンチに座る。

「よいっしょっと」


ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



あああ、ダメだ余計酷くなってる、それになんだか変に喉が渇いてきたな。


そう思い周囲を見渡すと、校庭を出た直ぐ傍にコンビニがあるのが見えた。

校庭をさっき飛び越えて来た正門は鍵が掛かっているので、裏門から出ると、耳鳴りはいつの間にか治まっていた。


コンビニは良くある大手のチェーン店のやつじゃない、あまり聞いた事がないような名前の店だった。



コンビニに入り、普段いつも買っているオレンジジュースを手に取りレジまで持っていくと、30才くらいの少し太り気味で

銀縁の眼鏡を掛けた冴えない店員がそこにはいた。


僕がオレンジジュースをレジの台の上に置くと、男は無造作に商品を手に取りバーコードリーダーにかざしながら言った。


「それだけ酷い耳鳴りなら寝れなくて当然ですね、お大事に」


「えっ?なんで......」


「126円になります」



一種不思議な感覚に囚われながら、店を出た後、僕は学校に戻ろうとするが、


ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


耳鳴りがけたたましく鳴り響き歩けなくなってしまった。



痛い!


耳鳴りが、酷くなっていく、もう!ダメだああああああ!!!頭が痛い!!割れる!


ピイイイイイイイーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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melting poit modified


CH3

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O-CH-C-??....decoding failed



あれっいきなり耳鳴りが止んだ!



目を開けると僕は目の前に広がっている、光景に息をのんだ。



「ここは......何処だろう......」


僕の目の前にあるのは何処かの外国の街、だけど人の気配はなく見渡す限り瓦礫の山、ほとんどのビルは半分位崩れかかっている、近くで銃声が聞える。




「ここは、どこかの戦場......どうして、こんなところにいるんだろう」



「おい!」


次の瞬間後ろから、肩をつかまれた


「軍曹ぼやっとしてる暇は無いぞ!直ぐに撤退だ!」



「えっ?」


「良いから早く乗れ、お前はここら辺の土地勘があるな、運転しろ!」



僕は言われるままに、目の前に止まっている装甲車の運転席に乗り込まされてしまった。


「あの......すいません......僕資料ではウニモグって見た事はありますけど、運転なんかしたことはないので無理ですよ」


「はあ?軍曹!くだらない状態は安全な場所まで帰還した時に聞いてやる、今すぐそのくだらない冗談は止めて出発しろ!」


「はっハイ!」


 怖ええええええ!この人の事聞かないと殺されるな......しょうがないこうなったら一か八かだ!



 僕は相手の気迫に押され、運転した事のない軍用車両をどういう訳か、全く感でエンジンを掛け発車させることができた。


 ディーゼルの荒々しいエンジン音が鳴り響く、僕は一瞬背中がビクっとなってしまった。そんな僕の心の機微を読んだかは分らないけど、横に座っている階級章の星が多い軍人は、僕に大声で怒鳴るように言った。


「敵が背後まで迫ってきている直ぐに発車しろ!」


「はっはい!分りました」



 僕は軍用車両を急発進させ、瓦礫の街を後にした。しばらく瓦礫が続く街中をすり抜けるように装甲車を走らせていると、道の真ん中にフード付きのコートのようなものを着た少年が立っていた。


 僕は一瞬背中が寒くなり、クラクションを何度も鳴らしたが、少年は微動だにしなかった。


「目の前に子供がいます、停車します」


「駄目だ止まってはならない」


「どうしてですか!このままだと、あの少年を轢いてしまいます!」


「あれは、テロリスト。スーサイドボマー恐らく自爆するつもりだ。この距離ではもう間に合わない!起爆される前に轢いてしまうんだ」


 そうなのか、あの少年の瞳、あんな大人そうなのに......

近づいてくる少年はたじろぎ一つせず、道の真ん中で佇んでいた。表情は冷静そのもの恐れはまるで感じられなかった。



でもあの瞳、どこかで見た事があるような気がする......


 その時少年の顔の一部に僕は違和感を感じ始めた、すぐにそれが何なのか理解できた。


 目が!瞳が......緑色に変わっていく。



 僕は助手席に座っている、上官と思われる人に震えながら声を掛けた。

「あの、あの男の子、瞳の色が緑に変わってませんか?」



「ああ、そうだな......どういう気分だ?自分自身を引き殺す感覚って言うのは?」



「えっ?」



 不意を突かれたその瞬間、強い衝撃が全身に走った。


 僕は運転操作を誤り軍用車両は道を大きく逸れ建物に衝突し、僕はフロント硝子に頭を強く打ち付けてしまった。


 猛烈な痛みの中意識が薄らいでいく、車両の前面がぐしゃぐしゃになり割れたフロントガラスに頭を打ち付けていた僕は頭から生暖かい血が流れているのを感じていた。


 もうお仕舞だ、こんな何がなんだか分らない状態で僕は死ぬのか......

 その時、割れたガラスの間から誰かの手が入り込み、僕は髪の毛を鷲掴みにされた。



 あの道に立っていた子供だった。フード付きの上着を脱ぎ捨てると、少年だと思っていたのはややくせ毛のブロンドの長い少女だった。


 少女はやや呆れ顔な感じで僕に冷たく言葉を放った。



「何やってるの、へたくそ、早く助けなさいよ」



 僕は痛みと意識が薄らいでいるので何も言葉を発せない。



「電話ボックスだからね」


「え?」



「電話ボックス!電話ボックス!電話ボックス!」


 次の瞬間僕の目の前は真っ暗になった。

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