No.2241.色彩を失った死の街で

色彩を失ったままの街

灰と銀の入り交じる空気

咳き込んで 絡むのは痰


亡霊じみた子供達も

光失った大人達も

死んだ魚の眼で

ただ ただ ふらふら歩く


だからこそ

そんなの赦せるはずない


ツルツルした氷道

滑るのも意に介さない

進め 進め 進め 突き進め


色彩を忘れたままの街

黒と闇の溶けている大地

咳き込んで 絡むのは悪


幽霊如き幼き女達も

死霊と化けた男達も

病んだ魚の眼で

ただ ただ ふらふら歩く


だからこそ

そんなの赦せるはずない


色彩を失った死の街で

たった一人で抗い続ける

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