No.2080.笑けてくるな

建物の下 まったりしてると なんか聞こえる笑い声

ひいてるとか 何とか言ってるけど

通りすぎていく デコレーションされてる市電

まさか そこで何かが 潰されている

そんな事じゃないのね 思わず考えた


不安定な空模様で 雨が降りそうで 降り始めない

一人座り込んでいる僕は 呆けているだけ

視界にはいってくる人々 本当様々だ


ふと 思い出した あの娘の嘆き 苛烈な毒舌

今更ながら 考えてみると 笑けてくるな


人間なんて 本当自分勝手で 自分本位な生き物

いつも 割を喰らうのは 真面目な奴等

貪られ ほじくられ そして 棄てられる

なんて 暗くて黒くて ぐろいのだろうか


大雪の空 しっとりしてると 耳に聴こえてくる唄声

やわらかくて とても ひびいてくる

真夜中の街角 明と暗がハッキリしていた

もう二度は 手に入らない そう思っている

現実はどうなるか 誰にもわからないのに


体の底から凍結しかねない寒さの中 ただ一人

立ちすくんでいるままで狂い始めたのか

泣く事も 叫ぶ事も 出来ないなんて


突然 頭を よぎった 忘れていたかった 苦い過去

今更ながら 考えてみると 笑けてくるな

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