No.1610.刻印

敵意の視線は痛いはずなのに

何も揺れ動かない

感じる事も何もない

他人事のように


いつからだったか

感情の起伏が亡くなりつつある

そんな事実に気付いた

まあそれもありだな

不思議と悲しくはなかった


出来れば誰にも邪魔されずに

まぐわいごとを重ねてみたい


血に濡れた指先を嘗めとり

下唇が脂できらりとてかる

カリバリズムに浸る

そんな存外な気分でもよおした


越えてはならぬ一線

飛び越えたかのような罰

魂に刻印されてしまったはっきりと


悪意の言葉が辛いだけなんだ

どこもひび割れない

信じる意義を知らない

対岸の火事さ


何故なんだろうか

情緒の不安定さが顕著になりだし

変な疑念が呻いた

でもどっちなのかな

なぜだかズキッと痛かった


知りすぎれば骨の髄までジュルジュルと

しゃぶりつくして刻みつけたい


血に濡れた指先を嘗めとり

下唇が脂できらりとてかる

カリバリズムに浸る

そんな存外な気分でもよおした


越えてはならぬ一線

飛び越えたかのような罰

魂に刻印されてしまったはっきりと

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