No.921.ワオーン

銀の柱に 打ち付けられた

狼のなれのはてに涙して

泣き叫ぶ君を止めるすべはない


はだけたブラ

砕けた絆


満月の明るさがやけに憎くて

僕は一人 吠えている


鉄の楔に捕らわれたまま

ちぎれた毛並みのわずかな残り火


狂いわめく君を助ける力も無い

乱れた髪

さびれた瞳


満月の明るさがやけに憎くて

僕は一人 吠えている

ワオーン

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