No.639.欲塊

二重窓の裏っ側から 差し込む朝日にやられて

だるい体 叩き起こす

枯れかけた サボテンが いぶかしげに萎れてら


今日もけだるい 一日がはじまる

仕事になりゃ やけに忙しいのに 休みは暇ばかり

すたれた 心肺機能で 乾いた空気吸い込む

コーヒーの苦さも わかりゃしないし


あの娘 この手に掴めりゃ 少しは癒されるのか

浮かぶのは 邪まな 欲望の塊


三日前のパンを とりだし もさもさ食べはじめ

とろい瞳 揺り動かす

途切れてきた雑音が やかましく鳴りだしてら


孤独に囲まれ 心が廃れる

表にでりゃ やたら 疲れるのに 帰宅すりゃ寝れやしない

夢の中でも 冷めた笑い声が ひびいてやがる

足腰ががくがくして倒れる


あの娘 この手に掴めりゃ 少しは癒されるのか

浮かぶのは 邪まな 欲望の塊

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