No.514.夢の中の小悪魔

突然 夢の中に 舞い降りたのは 白いドレスの天使みたいな娘

暗がりの部屋へ 一人静かに現れた


まるで全てを包み込むような つぶらな瞳

言葉が発せられる度 凍てついた精神がとけてゆく

揺るがない はずの振り子が 音も無く揺れだす


覚醒された純粋も 抑圧された欲望も

色合いをかえて 燃え上がる

限界を超えて のぼりつめてく情熱


翻弄される 孤独な魂は 熱を帯び 歪んでいく

手の平で 弄ばれる 虫けらのよう


心の奥底まで 見透かしたような眼差し

振り向かなくなれば なるほどに 焦げつく指先

背中に残っている その爪跡が いつまでもうずく


あの夜の吐息が 今だに 耳の奥から消えず


夢の中の小悪魔が しばる

苦しみと 悲しみと 寂しさの 煉獄

夢の中の小悪魔が 今日も囁く

夢の中の小悪魔が とわに惑わす

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