No.504.凍りついた吐息

どーしても 鳴らない電話 眺めてしまう

かかってくるはずもない

聞けるわけもない


あなたの声 忘れられない ぬくもり

この 唇も 体も 触れてないところなんてない

消えない 香り 握り締めても

涙があふれるだけ

心が裂けてくだけ


砕け散った 硝子の欠片

掻き集めても 指先は血にまみれる

途切れた 透明な ほほえみ

終わりに ささげた 未来


白い矢印に さししめられる事もなく

何も しないまま

塵とかしてく


ぐにゃぐにゃになった 氷のくちづけ

内側から とろけはじめ

やがて 消えてしまう

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