No.424.不死鳥の翼を広げて

星の輝き 語りかけてくる

か細い 囁き声で 今にも消え入りそう

脳裏に浮かぶ 映像はいつも いつまでも灰色のノスタルジー

橙色の草原に咲き乱れるのは小さな向日葵


みじかいあいだの 長い沈黙

大切な人を失い 秒をなくし 分を忘れ 時を恐れる

鋼鉄の氷壁に閉じ込められた ふんだんな色彩


聞こえてくる 耳の奥にひびいている 傷つき 指も動かせない

砕けた 壊れきった この身に 黄金の力を与えてくれる


銀の勇気を剣に また走り出す


月明かりのきらめき 微笑みかける

やさしい 視線うけて 高鳴る 大きな鼓動

紅色の模様 灼熱の波動


黄緑の大地に浮かびあがったのは 大きなすみれ


さみしい 大気の すばやい 盲目


大事な人をその手に抱いて 日をさわり 月をおぼえ 年にゆだねる


粉々のかけら つなぎ 組み合わせて 再び はばたく

不死鳥の翼を広げて 無限の宇宙へ

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