No.413.呪恋

白い魔の手の平に 握られた ひとひらの雫

ネオンに反射している紅い月明かり

崩れきった ビジョンにうつるのは 灰色の記憶


目の中に残っているのは 凄惨な現実

歪んだ眠りの世界 くすんだ想いの時代


石櫃に閉じ込められた 積年の呪い


数万年 数億年 時を駆け巡り

心と魂が いつまでも つながっている

指先と指先は どこまでも離れていても 赤い糸がつむがれている

滅びるも生き残るも 運命の袂に握られている


紫に香る 雲はゆっくりと流れてゆく


くもったレンズに写ったのは祈り

ささくれだった言葉が 突き刺すのは紺色の憂鬱


舌先に触れ続けるのは 残酷な夢想

ひずんだ目覚めの大地 よどんだ異常な感情


石櫃に閉じ込められた 積年の呪い

数万年 数億年 時を駆け巡り

心と魂が いつまでも つながっている

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