No.286.黒蜘蛛

ふと見えた黒い塊 それは蜘蛛

八本の足でコミカルに 歩き始める

何処から入ってきたのかわからないけど

ちらっとこっちを見た 小さい目に映る僕

彼から見ればどんなふうに見えているのだろう


また歩き出した 何処へ向かうのか 本能のまま

直感を信じ 迷わずに進む 蜘蛛には簡単な事


ふっと目を離すと消えた 黒い蜘蛛

夜の太陽が静かに昇る頃

僕の右手に出現した 昼間の奴

自分勝手に 自由気ままに 動きまわる


よく見ると 若干赤みがかっている


成長しきれない大人達が生きるこの国

こいつみたいに 自分らしさを忘れずにいたい

黒い蜘蛛は また知らぬ間に 消えていた

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