339日目:色々不安な第五階層……。
神聖歴六一〇三年・
セーヴェル遺跡ダンジョンの探索を始めて今日でもう十四日目を迎えました。
これは帰りのことを考えると、残りの食料的にそろそろ限界かもしれません。
……諦めずギリギリまで進むか、安全第一で撤退するか……難しい選択です。
そんな悩みを抱えつつ進んでいると、第五階層へ続く大広間に到着しました。
……この部屋を抜けた先にある階段をおりると、いよいよ第五階層です。
さて、どうしましょう? 第五階層の探索に必要な食料は十分あります。
でも、その先となると少し微妙です……いえ、正直かなりギリギリです。
……残りの食料だけでは、第十階層までの往復は難しいかもしれません。
それなのに、これ以上先へ……第五階層へ進む意味はあるんでしょうか?
ここで引き返し、ゆっくり余裕を持って戻るほうが安全かもしれません……。
そうして暫く考えた末、とりあえず第五階層までは進むことにしました。
もしかしたら、第五階層で何かお宝を発見できるかもしれませんからね。
それに折角ここまで来たんですし、探索できるところはしておきましょう!
というわけで、大広間を抜けて第五階層へ!
長い階段を下り終えたら、早速探索を開始します。
ふむ……通路などの見た目は第四階層までとほとんど同じですね。
削った岩を滑らかに整えた通路が分岐しながら奥へ続いています。
天井に埋設された光源もここまでと同様にマナ結晶を利用したものです。
そうやって階層の様子を確認していると通路の先から不快な音が……。
……ヌチャヌチャ、ズルズルと響くこの音は、ナメーク達の足音ですね。
さて、第五階層での最初の戦闘です。油断せず用心していきましょう。
階層の作りが同じでも、罠や魔物の種類は変化している可能性があります。
そのことをルルちゃんに伝え、普段通り二人で先行し通路の先へ。
すると……いました! やっぱりナメークです! 数は五匹。
そして、予想通りこれまで遭遇したナメークと種類が違います。
色は青と赤の斑模様。大きさは仔牛ほど。頭には螺旋状の黄色い触角が二本。
むむ……全然知らない種類のナメークです……。
別に私はナメーク博士ではありませんからね? 分からないこともあるのです!
……だからルルちゃん、そんな失望したような眼差しで見つめないでください!
……よし、ここを通るのは諦めましょう。
種類の分からないナメークを下手に攻撃するのは恐いですからね……。
ヤツらはとても弱い魔物ですが、それ故に特殊な能力を持つ個体が多くいます。
代表的な例を挙げるとしたらポイズンナメークがまさにそれです。
……場所も第五階層ですし、用心するに越したことはありません。
でも、避けてばかりもいられないので、あとでちゃんと調べておきましょう。
こういう時のために魔物図鑑は一応持ってきているのです……私って偉い!
はぁ……けど、ここから先は知らない魔物が増えそうですね……。
……第五階層の探索を無事に終われるか、少し不安になってきました。
今日の収支
特になし
――――――――
残金:金貨13枚、銀貨38枚、銅貨34枚
(・・;) なんでしょうね? あのナメークは……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます