175日目:報酬分配と護衛任務。

 神聖歴六一〇二年・時雨鶏しぐれどりの月第五日・天気:晴


 今回泊まった宿はとっても、とっても素晴らしかったです!

 特に料理が最高でした。口に入れた瞬間溶けてなくなるお肉。

 新鮮で瑞々しい野菜のサラダ。素材の旨味が凝縮されたスープ。

 ふかふかでモチモチなパン。メニューはシンプルなのに凄く美味しかったです!

 でも、手痛い出費でした……まさかあんなに宿泊費が高いなんて。

 またいつか泊まりたいですけど、当分は無理でしょうね……お金が欲しいです。


 そんな美味しい朝食を食べ終えたら、朝一番の駅馬車に乗り東区へ移動します。

 東区に着くのは約数時間後……丁度お昼少し前ぐらいですかね。

 ふぁ~……馬車に揺られていると眠たくなってきました。

 朝ご飯を食べ過ぎましたかね……本当眠いです。


 ……ふぇ!? うとうとしているといつの間にか東区へ到着しました。

 馬車を降りたら軽く伸びをして冒険者ギルドへ向かいます。

 時間は予想通りお昼少し前。

 東区へ向かった冒険者さん達も帰ってきているはずですし、急ぎましょう。


 ギルドに着くと、森で別れた冒険者さん達は既に戻ってきていました。

 一日ぶりの再会に軽く挨拶をしつつ、負傷者関系の連絡を済ませます。

 指示通り南区の治療院へ運んだこと、馬車も返却したことなどです。

 それらの説明を終えると、話はオーガ討伐の報酬関係に移ります。


 合同パーティなので討伐への貢献度などで報酬が変わってくるんですけど……。

 私たちはどうなりますかね……負傷者の救助をしていただけですし……。

 オーガともほとんど交戦してないんですよね……はぁ~……最低報酬ですかねぇ。

 そんなことを考えていたので、分配された報酬に目が丸くなります。

 革、牙、骨、爪等の各種素材が盛り沢山です! こんなに貰っていいんですか!?


 あまりの多さに思わず確認すると、皆さん笑顔で頷いてくれます。

 正直、全員生還できたのは奇跡に近いと。

 それも迅速な救助対応のお陰だと。

 だから、これは是非とも受け取って欲しいと。

 あ、ありがとうござまいす! 大切に使わせてもらいますね!

 ふふっ。これだけ素材があると装備一式作れそうですね。


 その後、ギルドホールで休んでいると受付の眼帯お姉さんから声を掛けられます。

 なんの用か尋ねると、ルルちゃんへお仕事の依頼でした。

 依頼内容は商業ギルドの護衛任務……あ、これは……例のヤツですね。

 お姉さんへ視線を向けると、意味ありげに頷き返されたので間違いありません。

 これはルルちゃんの昇格試験です。


 突然の護衛任務をどうするべきか不安そうに尋ねてくるルルちゃん。

 なので、これは経験になるので受けるべきだと勧めておきます。

 すると少し悩んだ後、ルルちゃんはどうやら受けることに決めたみたいです。


 さて、出発は明日ですか……なら今日は装備などを整えて早めに休みましょう。

 昇格試験……上手くいくといいですね。

 

 今日の収支

 銀貨:-3枚(宿泊費×4+ソシオ)(寝床◎、食事◎)

    -2枚(装備点検費)

    +60枚(オーガ合同討伐報酬)

 ――――――――

 残金:金貨1枚、銀貨30枚、銅貨53枚

    猫銀銭190枚

 借金残高:金貨17枚、銀貨76枚


 ('-'*) ルルちゃん頑張ってください!

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