154日目:次の目的地とミアさん。
神聖歴六一〇二年・
う~ん、また雨が降っています。
今の時期は季節の変わり目なのでお天気が安定しませんね。
冒険者ギルドへ行く予定でしたけど、今日は宿でゆっくりしましょうか……。
と言ってもただダラダラ過ごす訳じゃありませんよ?
ノアさんとニコさんを部屋に呼んで今後の予定を話し合います。
マーガの街に来てからもうすぐ二ヵ月。そろそろ別の街へ移動したいです。
ミアさんの件がなかったらもっと早く街を出てたんですけどね……。
でも、次はどこへ行きましょうか?
テーブルに広げた地図を見ながら、三人で意見を出し合います。
貿易都市であるマーガの街は他の街と比べ交通手段がかなり豊富です。
なので、ここから向かえない街や場所というのは殆どありません。
……選択肢が多くて迷ってしまいますね……本当それぐらい多いんですよ。
海路を使い東へ向かえば王都を目指せます。
南へ進路を取れば隣国であるガメオ帝国に行けますね。
陸路で北を目指すとドワーフたちが治める鉱山都市ヴェルグが。
西へ進むとエルフたちの自治領であるアールヴ大森林があります。
……どれも魅力的な場所ばかりです。
その途中にも色んな遺跡やダンジョンがありますし、悩みますね……。
ノアさんに意見を訊くと、北と西は嫌かなぁ~と苦笑混じりの返事が。
あ、そうですよね……ノアさんはクォーターエルフですもんね。
ドワーフはエルフと仲があまり良くありませんし、エルフはエルフで他種族の血が混ざった者を忌避すると聞いたことがあります。
そうなると海路で王都か帝国を目指しますか?
すると、王都へ向かいましょう! とニコさん。
……意外ですね。てっきり鉱石や薬草目当てで北か西を選ぶと思ったのに。
理由を尋ねると、王都の最新研究機材に興味があるらしいです。
……よし、王都へ行きましょう! 私も久々に王都を見てみたいです。
王都観光とか兄が正騎士だった頃以来なので数年振りですか……。
……ちょっとだけワクワクしますね。
あとは経路や荷物などの相談をしていると、部屋にミアさんが訪ねてきました。
なにしてるにゃ~? って王都へ行くための会議ですよ?
そう言うとミアさんは目を丸めて驚きます。
え? え? この街が拠点じゃないのかにゃ!? ってなにを言ってるんですか?
私たちは元からあちこちへ移動するタイプの冒険者なんですけど……。
困惑していると、ミアさんは肩を落としそのまま部屋を出ていってしました。
……えっと、これはどういうことでしょうか?
もしかしてミアさんは私たちがずっとマーガの街へいると思ってたんですかね?
あ、あれ? どこかで説明しませんでしたっけ?
このパーティも元は船の修理費を稼ぐための臨時パーティだったはずですけど……。
……これはミアさんと話し合わないといけないみたいですね。
そうしないとスッキリとした気持ちでマーガの街を去ることができません。
今日の収支
銀貨:-2枚(宿泊費×3+ソシオ)(寝床◎、食事◎)
――――――――
残金:金貨1枚、銀貨96枚、銅貨21枚
猫銀銭190枚
借金残高:金貨18枚、銀貨26枚
(゚ー゚*?)オヨ? ミアさんは一体どうしたんでしょう?
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