120日目:大宴会です!!
神聖歴六一〇二年・
うぅ……頭が痛いです……飲み過ぎました。
昨日、夜遅くに帰港するとそれからすぐに討伐祝いの大宴会になったんです。
美味しい料理、珍しいお酒、歌って踊ってのお祭り騒ぎ。
街を挙げての大祝賀会。街中どこへ行ってもそんな感じです。
もう陽が昇ったのに終わる気配すらありません……まさか夜まで続くんですかね?
けど冒険者も街の人もみんないい笑顔ですねぇ……はぁ、頭がガンガンします。
頭痛で顔を顰めているとふらふらとした足取りでノアさんが近付いてきました。
そうして、大丈夫? と微笑みながら手に持った飲み物を渡してくれます。
ありがとうございます……ってこれお酒じゃないですか!?
驚く私に、二日酔いには迎え酒だよ、とニコニコ笑うノアさん。
ダメですこの人! 完全に酔ってます!
……あ、でも痛みが消えたような? ……もう少し飲んでみましょうか。
近くにあった空の酒樽に腰かけ、貰ったお酒をチビチビと飲みつつ周囲を観察。
ノアさんは地面に座り込み、私の乗っている樽に背を預けうとうとし始めました。
……飲み過ぎですよ……もう少ししたら宿に連れて行かないと。
さて、ニコさんはどこにいるんでしょう?
あ……いました。テーブルに集まった人だかりの中心でなにかしてます。
様子を見に行きたいですけど、眠ったノアさんを放っておくわけにも……。
悩んでいると、誰かに袖を引っ張られます……えっと、なんですか?
視線を向けた先には小さくなったソシオがいました。
ここは任せろとでもいうように胸を張るミニソシオ。
……うん、ほんの少し見るだけですし、きっと大丈夫ですよね!
ということでノアさんをソシオに預け、ニコさんのところへ向かいます。
近付くにつれてなにやら聞え始める声援の数々……これはひょっとして?
悪い予感に酔いとは別の頭痛に襲われつつ進んで行くと……。
予想通りでした……冒険者六人相手に飲み勝負してますこの子!
てか、ニコさん見かけによらず強いですね……全然酔ってないみたいです。
そんなことを思っていると、その足元に見慣れた小瓶が数本転がっていました。
……まさかあれ……酔い止めのお薬の空瓶なんじゃ。
わ、私はなにも見ていません。ニコさんはきっとお酒に凄く強いんです!
そうやって過ごしていると、あっという間に夜になりました。
だというのに宴はまだまだ終わる様子がありません……。
でも、私たちはそろそろ宿へ帰ることにします。
ノアさんとニコさんを早く寝かせてあげないと。
そうそう、ニコさんは飲み勝負に優勝しましたよ……。
賞品はクラ―ケンの素材の一部らしいです。
新しいお薬の開発にどうしても欲しかったから頑張りました、とニコさん。
今はもう寝てますけど、お薬に関しては本当ブレませんねこの子は……。
さ、ソシオは二人を背に乗せてください。宿に行きますよ。
私もだいぶ眠くなってきました……あぁ、ベッドが恋しいです。
今日の収支
銀貨:- 2枚(宿泊費×3+ソシオ)(寝床◎、食事◎)
――――――――
残金:銀貨75枚、銅貨93枚
猫銀銭190
(_ _;)…パタリ もう飲めません……。
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