第83☆年を経ると

 年を経ると老獪になる、ということですが、年経た頃に若いころの苦労が役に立ちます。

 要領がよくなるというか、自分の容量がわかってくるというか。


 まず四十歳を越えたら、徹夜はいけません。次の日から仕事にならないのでは無理しても意味はないのです。


 わたくしは一日で草稿を書きあげ、一晩寝かして推敲するという手段をとっていますが、ノッテいるからといって朝方まで書いていたら、後で二日間苦しくて何も手につきませんでした。


 ニーチェも「いつもの毅然とした態度がとれないとき(疲れているとき)は休みなさい」と言っていた(かもしれない)


 結果的に予定が狂うので(ついでに体のホルモンバランスも崩れるので)夜は寝ましょう。


 もしも、調子が思わしくないときに、世間の荒波にのまれたら、命すら失うかもしれないのです。


 専門学校の先生は、ろくに食べてない生徒に、「この文才はまだまだ磨けるはず」と期待を寄せて厳しく接したところ、その生徒は自殺したそうです。

 先生はたった一言「追いつめすぎた」と言ってましたが、栄養のある食べ物を摂ることも大切なことです。

 食べ物と睡眠、これが脳を支え、精神を安定させるのです。


 作風で、ギリギリの心情を表さねばならないときは、書くべきところまで書いて、次の日寝てしまいましょう。


 命あってのものだねです。

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