第68話:「まささん、拉致される」の巻
(早朝起床+ロングドライブ+サーキット走行+ロングドライブという連続コンポを決めたせいか、焼き鳥を食べるまささんの顔に疲れの色が滲み出します)
「まささん、大丈夫ですか? よく見ると目の下にクマできてますよ」
「う~ん、さすがに少し疲れたかな」
「ですよね~ いっぱい食べていっぱい飲んで、エネルギー補充したほうがいいですよ」
「そうさせていただきます。不思議と食欲はあるんだよな~ なんでだろ?」
「人間の三大欲求ですからね」
「難しい日本語知ってますね。どこでおぼえたんですか?」
「前に付き合ってたひとが教えてくれました。食べたい・眠たい・えちしたいは、人間の三大欲求だて。だから、ホントウに疲れたら、食べたくなるのは仕方のないことなんですよ」
「そんなものなんですかね」
「ささ、まささん。ワインも追加したので飲んでください」
「じゃあいただきます(ぐびぐび)」
「おぅ! なかなかの飲みっぷりですね。わたし、まささんの飲みっぷり好きですよ。惚れ直してしまいそうです!」
「(心の声:お世辞とはわかっているけど、そのタイミングがうまいよな)」
そうこうしている間にも会話は進み、やがて身体を巡ったアルコールがまささんの意識をもうろうとさせ始めます。
「(トイレから帰ってくるなり)う~、ふらふらだ~」
「ほんとうですね。じゃ、今日はこれぐらいにしておきましょう」
「ごめんなさいね」
「疲れてるんだから仕方がないですよ。体力温存してください」
「はい」
「おにさん、代行お願いします!」
しばらくしてやってきた代行業者に愛車のキーをゆだね、まささんは助手席側のドアを開けようとします。
「あ~、待てください。わたしがそこに乗ります」
「え? なぜに?」
「わたしが道案内しますので、まささんは後ろでしばらく寝ていてください」
「ああ、気を遣わせてしまってごめんなさい。運転手さん。死ぬほど乗りにくいクルマなんで、クラッチ(←当時、メタルの強化クラッチが入ってましたw)繋ぐ時にはあおり気味にして繋いでください」
「かしこまりました」
かくしてまささんのインプレッサが発進します。
まささんの意識があったのは、おおよそその時まででした。
次に気が付いたのはねねさんの声によってです。
「まささ~ん、着きましたよ~ 起きてくださ~い」
「はぇ……(心の声:ああ、ねねさんのアパートに着いたのね)」
「じゃ、運転手さん。これお代です。ありがとございました!」
「あ……あれ?」
「どーしたんですか、まささん?」
「ここどこ?」
「ラブホです!」
「はいッ!?」
「わたし言いましたよね。今日はまささんのいぱい飲んであげるて」
「はいィィィッ!!!?」
「ささ、急いでお部屋入りましょ。まささんはなんにもしなくていーですからね。今日は、ねねが全部してあげます。頑張てください!」
「はいィィィッ!!!?」
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