第95話 クリスマスとバースデー
一般市民を観客にしたホームラン対決は、ご破算になった。
会場として借りた野球場にヴィランが襲来し、リアルヒーローショー
に早変わりしたため勝負の結果はドローとなった。
「生徒諸君ナイスファイトだった。さあ、クリスマスを皆で祝おうじゃないか♪」
アメリカ人らしく掌返しをした校長により、無事にクリスマスパーティーが開催
されることとなった。
学校のクリスマスはアメリカ式で盛大だった。
「で、俺の留年とかはどうなるんです?」
校長に聞く進太郎。
「・・・・・2年生からはきちんと学業に励みたまえ。」
苦い顔をした校長が進級を認める。
佐藤君が小さい箱を持って進太郎の所へやってくる。
「ほら、誕生日のケーキだ魔界で食えよ♪」
と言って、箱を差し出したのでありがたく受け取る。
「魔王、誕生日おめでと~~~!!」
クラスの仲間たちが祝ってくれた。
「・・・・皆ありがとう。」
感激して泣く進太郎。
そして、一足先に帰宅した。
「「おめでとうございます♪」」
メイド達も出迎えて祝ってくれた。
「ありがとうな。」
礼を言う進太郎。
「ささ、魔界へ参りましょう式典が待っております♪」
「お着替えもしましょう、カボチャパンツの礼装でちゅよ♪」
王子服にカボチャパンツに着替えさせられた進太郎、カボチャパンツは嫌いだが
気分が良いので着替えた上でメイド達に連れてかれ魔界へ帰る。
ついてみたら、そこはもう祭りだった。
花火は上がり、音楽が流れ出店が並び進太郎を文武百官が出迎える。
両親も正装姿で出迎えてくれた。
「お誕生日、おめでとう♪」
母の祝辞に跪いて礼をする。
民であるモンスター達も歓声を上げて盛り上がっていた。
「皇太子殿下が戻られ、女帝陛下から祝辞を述べられました♪
これより、パレードが始まります♪」
テレビ局のリポーターがカメラに向かいしゃべる。
魔界らしくいかつい獣の頭蓋骨でできたオープンカーに乗せられて
民衆達から祝われる進太郎。
これから冬休み中は魔界で過ごす事となる。
こうして、進太郎の1年は過ぎていく。
次の年には新たな出会いもあるだろう、彼の人生はまだまだ続く。
完
魔王の孫の変身ヒーロー生活 ムネミツ @yukinosita
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