第79話 スペック確認と試し技 後編
そして、ザトウベック号は目的地である海洋領についた。
ここは、見た目は文字通り大半が海で出来た惑星と言える。
住んでいる種族も大半は人魚族で、海底に彼らの街があるが
ザトウベック号が停泊したのは海上にある島の一つである。
帝国海軍の海上部隊や、航空隊の基地がある島だ。
ハワイをモデルにしたらしい街もある。
そんな島の砂浜で、進太郎は人狼達と走っていた。
新たな武器を扱う為進太郎自身に、剣の修行の必要が出たためである。
そもそも進太郎の身に付けた技は、処刑闘技というプロレスに似た格闘技と
百婆に稽古を付けられたボビナムとどちらも素手の技で武器術の経験はなかった。
必殺技を覚える前に人狼メイド達に剣術とは何か?
と基礎の基礎から教わることになった。
素振りや型は金属製の模擬刀、対人戦の稽古では当たるとべっとりするだけで
怪我の心配のないカラフルなスライム刀でベトベトにされまくった。
「・・・・・・負けるのは仕方ないが、ペロペロ舐めるなよ!!」
負ける度に人狼メイド達に、ぺろぺろと体に付いたスライムを舐められるのは
勘弁して欲しかった。
「ご褒美をいただいているだけですわ♪」
教師役の剣道着姿のサファイアがスライム刀を頭の隣、八相に構える。
そして、波のようにサ~ッとした足運びで距離をつめてくるサファイア。
上半身ブレてねえ、波が打ちつけるように得物を振り下ろす。
・・・・・・べチャリッ!!
進太郎は、避ける事も受けることも出来ず肩から袈裟懸けにスライムにまみれた。
「細波のように迫る切り下ろしを脇に避けつつ切り上げるのが波切りの型ですわ。」
型の説明をしてくれるのはありがたいが、避けられない。
この後も散々ベトベトにされる修行の日々が続くのである。
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