第61話 雪と風の谷のケモ耳
電話を掛けて集まった仲間は元気とアイリーンのみだった。
鍋島こまが不参加の理由はというと。
「・・・・・・カードゲームの大会の予選がある、すまない。」
というものだった。
かぱ子さんこと川原春子の場合はというと
「はあ?家の神社は夏祭り前で忙しいの!!そっちが手伝いに来て!!」
むしろ催促された、お家が神社って大変だね。
逆に来た元気はというと、オーバージャケットにオーバーパンツ。
スパッツに登山靴に帽子に手袋と完全装備だ。
進太郎が聖なる力に弱いままのように、元気も寒さに弱いのは百婆の修行
でも克服できていないらしい。
「・・・・・・・ヘル、温泉宿はあるって言葉に嘘はないな?」
超必死な目でにらむ元気。
アイリーンも冬山装備であるがこちらは
「雪山に温泉ですか~♪期待しています~♪」
と通常運行だった、彼女が巨大化したら帝国が危ない。
大使館から帝国へ、そして向かう先の雪山領は帝国首都から見える
茶色の大地に白い雪が大部分を覆う惑星であった。
帝国首都の港に停泊している手足と顔の付いた木製の帆船に乗り込む一行。
トレント族と言うモンスターの帆船が港から海へと出る。
暫く進むと船が空へと浮かび上がり目的の星に向けて飛んでいった。
星の海を進み船は白い惑星、雪山領へと降り立つ。
「・・・・・・ファンタジックな世界だな、お前の国。」
船から下りた元気が感想を言う。
「楽しかったですね~♪」
アイリーンは満足げだ。
降り立った進太郎一行を『歓迎、皇太子ご一行様』と描かれたのぼりを振り
褐色に日焼け肌で手足と腰周りだけが白熊のような毛で鹿
のような耳で白髪の胸の大きな美少女が法被を着て出迎えている。
同じように、服の上に法被を羽織った青い髪に青い狼耳のイケメンな青年
やアニーと同じ赤毛赤狼耳の人狼なご婦人や半魚人などがいる。
「ようこそお待ちしておりました、殿下とアニー様それに伯爵様方♪」
赤毛の人狼のご婦人が挨拶する。
「出迎えありがとうございます、みなさんお世話になります。」
進太郎も挨拶し仲間達も挨拶すると、出迎えの皆さんが平伏する。
「恐れ多い事でございます、これから皆様が滞在される当ホテル
へとご案内させていただきます。」
ホテルの女将さんらしい人狼のご婦人が、かしこまると言うやり取り
を経て温泉街へと案内される。
にぎやかな通りを抜けてたどり着いた宿は、どことなく大きめの
映画館に似た建物であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます