第44話 勇者の暮らし魔王と対決

モルド姫、歓迎の式典の後は普通に学園になじんでいた。


「本国の学校でも皆さん普通に接してくれてましたから♪」

と気さくなお姫様は、人気者になっていた。


登校すれば皆から

「モル姫、おはよう♪」とか「モルちゃん可愛い♪」

可愛がられている。


授業態度も真面目で小さいながらも、勇者らしく身体能力は男子にも負けず。


特に戦闘訓練の授業では

「・・・・・・大丈夫ですか、い、行きますよ?」

と進太郎を案じる。


「・・・・・・気にするな、来いっ!!」

と構えた進太郎に対しダッシュで間合いを詰めて


「・・・・・・ほ、ホーリースマーッシュッ!!」

と叫び右手を光らせパンチを唸らせる。


「ぐばぁっ!!」

進太郎はボディーに強烈な一撃を受けるも、根性で耐える。


「・・・・・・ご、ごめんなさいっ!!私、対魔族スキル持ちなんです。」

バックステップで下がって、頭を下げるモルド姫。


悪魔や魔王など魔族に類する相手に与えるダメージが高い能力らしい。


・・・・・・つまり、進太郎には相性が悪い相手である。


「・・・・・・ヘルグリム君、相変わらず苦手よね聖なる力とか。」

同じく神聖な力を使えるかぱ子が呆れる。


「回復魔法も痛がってましたね~♪」

種族自体が天敵のアイリーンものほほんと眺める。


「・・・・・え、ヘルグリムさん?そうなんですか?あんなにお強いのに?」

モルド姫が驚く、気づいてなかったらしい。


「・・・・・・待て、そうだがまだ勝負は決していない勝負だ!!」

苦手な相手でも、がんばる進太郎。


「・・・・・・や、やめろヘル!!お前のHPはもう少ない!!」

元気が心配する。


「止めてくれるな、俺だって日本の勇者の息子の意地がある!!」

父から受け継いだ勇気、発揮する場所が違う気もするが違っても出す。


それを見たモルド姫も真剣な顔をする。

「・・・・・・わかりました、行きます!!」


モルド姫が一直線に光を纏った跳び蹴りを放つ!!


「・・・・・・これが俺の切り札だ!!」

脇を引き締め、右の肘に闇のエネルギーを集める進太郎。


肘を上げ、跳躍し倒れこむように相手の蹴り足へ肘を打ち下ろす。


互いのエネルギーが反発し合い、両者がはじけ飛ぶ!!


だがその時、双方に影ができた。


進太郎は己の影に落ち、モルド姫の影から出てきて彼女の下敷きになる。


「きゃっ!!」

モルド姫は叫ぶも尻餅をついただけですんだ。


「ぐへぇ!!」

進太郎はモルド姫の下で潰れていた。




















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る