第21話 仲間達の部活事情 こまは遊びたい

・・・・・・パチ、・・・・・・パチ。

・・・・・・・コロコロ、コロッ!!

・・・・・・サッサッサッ、バッ!!

囲碁や将棋を行う音、TRPGのダイスを振る音、カードを切って並べる音が響く。

ここは、アナログゲーム同好会の部室。

遊びの天才、鍋島こまはTRPGに興じていた。

「・・・・・・ファ、ファンブルだと!!誰か振りなおしスキルを頼む!!」

だが、無情にもこのラウンドでは仲間達は振りなおしスキルを使えなかった。

「・・・・・・く、ここで決まれば楽に行けたのに。」

悔しがるこま、ダイス目はどうにもならなかった。

「ダイス目は非情なのだよ、キャットマン♪」

渋い声でGMをしているのはなんと、アメリカハゲことサミュエル校長その人!!

GMがこまのキャラ名を呼ぶ。

校長が生徒有志への兵棋演習、と言う名目で仕事をサボって遊んでいるのは

現代ヒーロー物のTRPG『テリブルセブン』である。

そもそもTRPGとはなんぞや?パソコンすらない時代にアメリカで生まれた紙

と筆記用具とダイスと参加者の想像力で物語を作るゲームである。

近代における陸軍と海軍双方の軍隊で行われていた、駒と紙とサイコロで行われる戦略シミュレーションである兵棋演習へいぎえんしゅうを祖先にもつ由緒正しい

ゲームなのだ。

サミュエル校長も実は少年時代からTRPGの愛好家であり、アナログゲーム同好会

設立が認可されたのは校長の趣味に合致していたからである。

『テリブルセブン』とは最近出た新作で、今回は港の倉庫でヴィランの違法取引を

潰すという話で皆は遊んでいた。

シナリオを作ったのは校長である。

「キャットマン、気にするなまだ勝ち目はある!!」

と、こまを労うのはキャプテン・マッスルというアメコミヒーローな

キャラクターを演じる少年である。

遊んだ結果、プレイヤー達は戦闘に勝って取引を潰したが敵を逃がしてしまうと言う結果で次回に続くと言う事になった。

「さて、そろそろ下校時間だルールを守って下校するように・・・解散!!」

生徒たちは校長の号令に従い、帰宅の用意を始めて帰りだした。

こまは、校長に何か言われるのが嫌で普段見せないスピードで

片づけをして教室を窓から飛び出した、場所は二階である。

「きちんと出入り口から出ろ、鍋島こま!!」

好調が叱責するがこま本人は、スルーして妖怪カードから蝙蝠猫を召喚すると

「・・・・・・・ふん、あばよとっつぁ~ん!!」

と叫んで蝙蝠猫に運ばれながら空を飛んで学校を出た。

「・・・・・・・やれやれ、楽しくはあったが校長相手だと無駄に気を使ってしまって疲れた。遊ぶなら気楽に遊びたい校長のシナリオは何か授業っぽい。」

校長は兵棋演習名目で来ているのだが、自由を愛する遊びの天才には興味がない。

「次に遊ぶなら、ヘルグリム君の家でやろう。あそこなら空調やお菓子や飲み物と至れり尽くせりで快適に遊べるはずだ。」

こまはすっかり、進太郎の家であるヘルグリム帝国大使館を遊び場としていた。

他人には気づかれにくいが遊びを通じて付き合うのが彼女なりの友情の表現だ。

後に、ヘルグリム帝国大使館は仲間達の終生のクラブハウス状態になるのだが

そのきっかけはこの時の鍋島こまの気分が原因である。














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