第15話 決戦は日曜の朝 前編

巨大なカボチャの山羊車が星空の下、魔界の荒野を駆ける。

しばらくしてだだっ広い平原に山羊車を止める。

「パンプキンカイザー、スタンドアップ!!」

進太郎ふが叫ぶと山羊メカとカボチャをつなぐ鎖がはずれて

カボチャが宙に浮く、それに合わせて山羊メカが逆立ちして

飛び上がり白山羊が両腕、黒山羊が両脚のパーツとしてカボチャ

を胴体に合体カボチャのヘタの部分が王冠を戴いたヒーローっぽい頭部が

浮かびあがり背後に黄金のマントが生成されて完成する。

操縦席内でも変形する様子がモニターで見れて仲間達がはしゃぐ。

「完成!!パンプキンカイザー!!」

拳を天に突き上げパンプキンカイザーが見得を切る。

ちなみに、ヘルグリム帝国の報道陣が進太郎達に先回りしていた。

今回の戦いの様子は人間界にも放送される。

「ご覧ください!!帝国の技術の結晶、パンプキンカイザーが完成いたしました!!

これより深海王国ネクロマーレに対する反撃作戦が行われようとしております!!」

狼の耳を生やした女子アナウンサーが叫ぶ。

「マスコミの方たちは避難せずとも宜しいのでしょうか?」

アイリーンの言葉にかぱ子も

「大丈夫?民間人を巻き込めないわよ?」

と心配する。

「心配後無用、十分距離は取ってるここからはこっちのターンだ!!」

進太郎が、自分の席にある髑髏のスイッチを

「強制転送!!」

と叫んで押した!!

場面は変わって、人間界の太平洋に浮かぶ巨大なフジツボの城の姿をした

ネクロマーレ前線基地。

巨大怪獣や戦艦が配備されていたが、ネクロマーレ側は油断しきっていた。

そんな中前線基地を覆う空が割れて紫色の巨大な手が現れると配備していた戦艦や

怪獣ごと基地を握り空の割れ目に引きずり込んで消えると空が元に戻った。

そして、ヘルグリム帝国では、空から巨大なフジツボの城や戦艦や

怪獣達が落ちてきて大地に衝突し爆発、前線基地や戦艦は崩壊したが全滅まではいかず怪獣たちは苦しそうだが生きていた。

「何かあいつら、突然降って来たぞ!!」

元気が尋ねる。

「奴らを強制的にこっちに召喚した、元悪の組織のノウハウを見せてやる!!」

進太郎は頭に山羊の角を生やし魔族化していた、人間界では遠慮していたが自陣では

一切容赦する気がなくなっていた。

「ヘルグリム君、ちょっと怖いわよ!!」

かぱ子が進太郎の後頭部をはたく!!

「あば!!」

かぱ子の張り手で頭の角が引っ込む。

「いや、もうテンション上がってとまんないんだごめん。」

友人に詫びる進太郎。

「怪獣達が苦しんでるな」

こまがモニター越しに様子を見る。

「当然、曲がりなりにも人間界宇宙群の連中にとってここは地獄のはずだ。」

ではかぱ子達が何故ヘルグリム帝国で生きていけるのか?

ヘルグリム帝国とかぱ子達の人間界との同盟が締結した際に『共栄の魔法』

というヘルグリム帝国への適応能力を与える魔法がかけられているからである。

だが、ヘルグリム帝国と全く縁のないネクロマーレにとっては完全な異世界である

ヘルグリムの大気は毒でしかなかった。

ネクロマーレの戦艦や前線基地だったものは急速にヘルグリム帝国の大気に当てられ

酸化して朽ちて行き、怪獣たちは苦しみながらも襲ってくる。

イカのような怪獣は必死に口から毒であろう墨を吐いてくる!!

タコに手足の生えた怪獣がパンプキンカイザーに回転しながら突っ込んできた!!

せめてもの慈悲か、タコ怪獣の一撃はあえて受け止めその勢いに弾き飛ばされる

パンプキンカイザーだがイカ怪獣の墨はタコ怪獣の体当たりのおかげで避けられた。

「・・・・・・危ないじゃないか、何してる!!」

弾き飛ばされた機体を踏ん張らせたのは、チーム一の遊びの天才こまだ。

「せめて一撃は受けてやろうとか思ったんだろ、センターチェンジだ!!」

元気が自分の席にあるボタンを押すと進太郎と元気の位置が交代する。

「ベークドパンプキンカイザー!!燃えて行くぜ!!」

焼きカボチャの皇帝に相応しく、パンプキンカイザーは燃え上がった!!

火が収まるとパンプキンカイザーの両腕と両脚には巨大な黄金のガントレットとグリーヴが追加された。

「え、何で変形してるの!!」

自分達に起きたことが理解できていない、進太郎。

「・・・・・・戦隊学の教科書に載ってましたがパンプキンカイザーは、戦隊のロボがベースのようですから戦いの中でパワーアップするタイプではないでしょうか?」

アイリーンが思い出したように言う。

「気にすんな、たこ焼きといか焼きにしてやるぜ!!」

センターの元気は生き生きとしていた、進太郎は彼に父親の面影を見ていた。

お返しのタックルでタコの怪獣とガッツリ手四つに組み合う、互いに一歩も譲らない力比べにイカの怪獣が好機と見たか背後に周り墨を吐く!!

「邪魔すんな!!」

タコの怪獣を巴投げで盾にして墨を防ぐ!!イカの怪獣は投げられたタコに押しつぶされてのしいかにされた。

「・・・・・痛いわね、操縦が荒いのよ馬鹿!!」

かぱ子が怒る、ヒーロー側は機体にダメージは無いがパイロットがゆれ等でまいっている。

「・・・・・・・・うぷ!!」

アイリーンは気持ち悪そうに口を抑えた、食べすぎと揺れが原因で酔っている。

「ほら、エチケット袋使え!!」

見かねた進太郎がアイリーンに、吐く為の袋を渡すと違う意味で深刻だ。

「悪い!!さっさと決めるぜ!!」

アイリーンが吐いたのをみて、元気も気まずくなる。

「・・・・・・・元気は空気を読め。」

こまも進太郎からエチケット袋を渡される。

「行くぜ、バーニングランタン!!」

元気が叫びと共に必殺技と表記されたボタンを押すと、カボチャボディの口から

太陽のごとく巨大なオレンジ色の火球が二体の怪獣に向けて放たれる。

その巨大な火球からは逃れられず怪獣二匹は灰も残さず消滅した。

「・・・・・なんか、すっげー疲れた交代。」

疲れ果てた元気がボタンを押すと再び進太郎がセンターへ戻る。

戦いが終わったと安堵しかけた時、朽ちたはずのネクロマーレの前線基地から爆発と共に巨大な存在が出現した!!









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