第50話 マネーの鯱
画期的なビジネスを始めてみた。
アイデアとやる気はあるが資金がなくて起業できない、そんな起業希望者をサイトで広く公募する。
更にそれぞれの事業案について、一口一万円で出資者を募る。
出資金が集まればその事業はスタート。
ハイリスクハイリターン投資ではあるものの評判は良好である。
成功した企業から出資者への配当金のうち数%はマージンとして当社が頂くが、利益目的ではないのでこれは極めて良心的な料金設定である。
この事業によって年間の起業件数は激増し、その中からは大企業にまで育つ者も出た。
日本経済の活性化にも大きく寄与することができたと自認している。
ただ残念なことに、出資金を狙って起業を偽装する者が一向に絶えない。
だが当社の調査部はそういう輩を絶対に見逃さない。
それが貧乏人であれば詐欺罪で容赦なく告発するし、本人や親族が裕福であればたっぷりと『和解金』をせしめるのだ。
なにしろこれが当社のビジネスなのだから。
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