第32話 キャベツ1玉68円
最近は野菜がクソ高い。
おかげで特売品コーナーには亡者どもが群がっていた。
私はまず、リストラされていそうな薄らハゲを蹴り出した。
ここは狼たちの戦場だ。
生まれたての仔ブタなど隅でプルプル震えていればいい。
だが最前列には歴戦のツワモノ、アニマル柄とセレブ気取りがいた。
奴らの間にぐいぐいと割り込む私、
そうはさせじとベレッタを抜くアニマル。
だが甘い!
この距離では銃よりも私のナイフの方が速い!
しかし手首狙いの一閃は紙一重でかわされた。
銃声!そして背後でリストラの悲鳴。
アニマルは私の斬撃コンボさえ楽々と捌いた。
が、それはフェイクだ。
奴の左手がキープした大玉に私のナイフがサクリと刺さる。
「こいつは頂くよ」
もぎ取ったキャベツは私のカゴへと収まった。
「シット!」
こうして私は今日も勝利する。
あとはいつものとおり。
のたうち回るリストラを店員さんが運んでいき、床の血のりを掃除する。
……明日は肉の特売日かもしれない。
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