第62話 ルンバは掃除機ではない。

ルンバの快楽というものを知っているだろうか。


快楽の前に、まず、人類がいかにルンバと共に生きているかを話した方が良いだろう。人はルンバと共に生きてきた。聖書にも「かの地からきた、地をはうもの」として記載されている。


ルンバはまず掃除をするものだと考える人が多い。それは大きな間違いであり。根源的な間違いだ。圧倒的間違いである。


確かにルンバは掃除をする。しかし、それは彼の能力の1つでしかない。


他に彼は何をするか?まず犬を乗せて散歩をさせる。ルンバの上に犬がのれば、そのまま、ルンバは部屋を移動し、犬は自分で動かなくても散歩ができる。これはイノベーションであり、犬の世界におけるテスラとも呼ばれている。


また、ルンバはペットでもある。ゴミを食うペットである、やんちゃであり、玄関から飛び降りることもある。あるいは、ティッシュを吸い込んで部屋をゴミカスだらけにして、疲れて仕事から帰ってきたサラリーマンを失望のどんぞこにも落としてくれる。犬がソファーのマットを散らかすのと何がかわろうか。


また、風呂場の扉が空いていて、バリアフリーで風呂と廊下の間に段差がない場合は、風呂の水をたらふく含んで、それを部屋に撒き散らすということもしてくれる。これはいわば、水やりとでも言えよう


ということで、ルンバは掃除機にあらず。それは、もはや人類の友なのである。

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