鮮やかな花は無慈悲に摘まれる
詩衣
第1話序章
ある日、唐突にクラスメイトが亡くなったと連絡網で回ってきた。それを聞いても現実味が無かったが、SNSで送られてきたメッセージを見て、ああ本当なのかと他人ごとのように思っていた。翌日に行われた葬式にクラス全員が参加し、涙を流す人もいれば、涙をこらえる人もいるなかで葬式は進んでいく。そこでようやくクラスメイトの死を現実として捉えることができた。涙は出なかった。一瞬自分が薄情者かと疑ったが胸の痛みがそうではないと教えてくれた。葬式はいよいよ棺が霊柩車に運ばれるところまできていた。すると誰かがクラスメイトの名前を叫んでいた。それにつられて周りも別れを惜しむように叫び始めた。霊柩車の周りは別れを惜しむ声で溢れた。霊柩車は進み出し、見えなくなるまで皆は名前を呼び続ける。こうしてクラスメイトの葬式は終わりを迎えた。翌日のクラスは亡くなったクラスメイトのことが話題になっていた。やはり、亡くなったことが悲しいのだろう。まさか、本当に自殺してしまうなんて。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます