夏、あのバスに乗って消えたものを探すなら

作者 まんごーぷりん(旧:まご)

63

23人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★ Very Good!!

懐かしいような、そんな感覚になる話。
あの頃、言葉にできなかった気持ちをこうして明確にしてもらったような感覚になりました。

傷心して人を信じることに疲れてしまったヒロインが疲れを癒やすために、母の田舎に行ったのだと思ったら……
自分の知らないことが次々と現れて、謎が深まる。

ヒロインにとって辛い試練を与える人物たち。
彼女の視点から見れば悪く見えてしまうが、その人物たちにもそれなりの理由があって。だから憎めない。

この話全体が非常にいいものでした。
個人的にはおばあちゃんたちのノロケ話が一番好きです。
そんな二人になれたらいいなと思いました。

続編フォローしてしまうくらい、終わり方もとても先の気になるもので、楽しい時間でした。



☆が一つ足りないのはヒロインたちのラブラブ要素が足りなかったという個人的な好みです。
それは続編でのお楽しみにとっておきます。

★★★ Excellent!!!

子供でもない、大人にもなりきれない夏はなぜあんなにも息苦しくて輝いているのだろう?

夏休みを祖母の家で過ごすことになった主人公は、周囲の大人達の優しさや双子の兄妹との友情を通して"消えたもの"の存在を知り、取り戻していきます。
その中で知った友情とは別の二つの感情。
彼女はその二つの感情を抱え、少しだけ大人に近づきます。

不器用な主人公が経験する夏の煌めきが切なくて、心がキュンとします。
続編も楽しく読ませていただきます!

★★★ Excellent!!!


夏は暑くて嫌いなのに、夏の物語に惹かれるのはなぜだろう。
海に反射する太陽の眩しさ
山の木漏れ日の緑
10代だからこそ抱える感情
この輝きの中には、もどかしくも切ない夏がつまっている

最後まで読み終えても、やはりここにはもどかしくも切ない夏があったと思います
できることなら、一人ひとりをぎゅっと抱きしめてあげたくなります
よく頑張ったね
辛かったね
それでもやっぱり、この夏のおかげで君たちは大切なものに気づき成長したのだと

完結、お疲れ様でした^^

★★★ Excellent!!!


ひとこと通りです。描写が丁寧でわかりやすく、なおかつ綺麗なので頭にぶわっと景色が浮かび上がるような小説です。

私の地元もど田舎なのですが、そんな田舎時代の思い出はそろそろ色あせていた頃だったんです。けれど、読むたびにくっきりと鮮やかな色彩を戻して私の頭に思い出が浮かんできてくれました。素敵な物語ですね!

★★★ Excellent!!!

本当に、文章で描く、という言葉がしっくりくる作品だと思う。
景色や温度、匂いや光の煌めきまでが想起されるような美しい文章にするりと滑り込んだ繊細な心理描写は、一度ハマってしまうとなかなか抜け出すのが難しい。

まだ幼いながらも、幼さから少しずつ遠ざかっているような、微妙な時期の心がこんなに丁寧に描かれていくことに驚く。
恋愛ものは物語のスピードと登場人物の心の動きに追いつけず、ついそんなに簡単に恋に落ちてたまるか、と思ってしまう節があるのだが、ゆっくりじっくり人物や背景を描きながら物語を進めるこの作品の姿勢は、個人的にとても好きだな、と思った。