Take-29 映画『マネーボール(Moneyball )』(2011)は面白かったのか? ──あるいは『サルでも書ける? エッセイ教室?』

 ども、ペイザンヌです。


 ブラッド・ピット主演、2011年の映画『マネー・ボール』を見ました。非常に面白かった、というよりは非常に興味深かった一本であります!

 単純に娯楽として楽しむための映画というより、例えば仕事で現場を仕切ったり部下をを育てる方々などに観て戴きたい映画かもしれないですね。


 この映画、ポスターやパッケージからだと単なる野球映画のように見えますが実は現在の企業や会社などの在り方、方向性を示したそんな映画に思えます。


──つまらん。


?? ……え~、なんといいますか、それは社会の中のひとつの企業──そういう捉え方でもよいし、企業に属する部署、チーム、もしくはその中の一人として見ても構わない。映画を見ている二時間のうちにその幅はぐわ~んと広がったり、かと思えば個人の内面にひょ~んと焦点が定まったりしてとても興味深い……


──面白くない。


???……………オホンエヘン、失礼いたしました。いわゆる“数字”、そして“結果”が全てとそれは口を酸っぱくするほど常に言われ続けている昨今の社会、しかし、それは何故なのか? 何のためなのか? 近年ではそれによる過労死や自殺などといった……


──実につまらん。やめだ、やめやめやめやめ! 映画はともかくこのエッセイは実につまらん! 面白くない!


 ええっ?!! な、なに? なんなの急に?!

Σ( ̄□ ̄;)


──だらだらだらだらダラダラダラダラ……。企業だぁ? ハッ! 現場だぁ? ヘッ! 数字だぁ? ペッ! だいたいだな、てめぇ何様なんだよ? どっから目線で感想たれてんだ? ああっ?! 読む方はな、そんなモン求めちゃねーんだよ、ペッペッペッ!


 うわ、汚きったね! え? 誰なの? こわ……てか、またこの展開なのかよ?

(@_@;)


──だいたいだな、なんだ、あの出だしは? せっかくこのページをめくってもらってだよ? マクラもない、何の惹き付けもない、つかみもない、あんな固っくるしい出だしで世のお忙しい方々が読んでくれるとでも思ってんのか? 俺だったらやめるね、一行半で離脱だね。最初の一文字でガツンと読者を惹き付けるくらいじゃなきゃダメなんだよ! ペッペッペッ!


 ひ、一文字って。そんなムチャクチャな。ちょ……やめてくださいってば!

(´□`;)


──やりなおせ。


 なんと?! やりなおせとな?! え、え~と、ペイザンヌでーす。皆様お元気でしょうか? いや~最近あっついすね~。


──もう暑かねぇよ、サムいくらいだっつの。


 秋刀魚とかね、美味しい季節になってきましたけど皆様もう食べられたでしょうかね?


──よけいなお世話だ、何食おうとこっちの勝手だっつーの、インスタバエかおまえは。


 ふえ~ん、だったらどうすりゃいいってんだよ~

(´□`;)


──もっと、こうさぁ、なんかあんじゃん? ノリってかフィーリングってかさ、よぉ、ペイちゃん、わっかんねぇかな~。映画のパンフじゃねぇんだからさぁ、ペイちゃん書いてることなんてさぁ、もうぜってーどっかで書かれちゃってんのよ、その手のプロがさ。フレッシュじゃないのよ? わかる? よぉ、アンダースタン?


 あんたの方がむか~しのエセマネージャーやらインチキプロデューサーみたいだよ……。

 (-_-;)


──けっ、ドしろーとがてめぇの未熟棚にあげてピーヒャラ言ってんじゃねぇよ! おら、続けろ、おら。よかったな~こんな駄文投稿する前に俺にチェックしてもらえてよ。



(;´Д`)やりづらいなぁ……この『マネー・ボール』という映画、実話をもとにして作られております。プロ入りしたのに鳴かず飛ばずだったブラッド・ピット演じる主人公が今度はゼネラルマネージャーとして弱小球団を立て直すという、いわゆるアレです、なにげにその骨組みは少年漫画などでもヒジョーによく使われる王道・金系と言われるストーリーなんですね。


──ほ~ら、まただんだんパンフになってきちゃってる。個人の映画ブログじゃないんだからさ~、なあ、おい。


(# ゜Д゜)うっせーな! 個人の映画ブログなんだよ! エヘンオホン、ま……まあ、とはいえ少年ジャンプのような『努力、友情、勝利、そして熱血!』とはちょっと違い、この映画の主人公は『冷静・統計・計算ずく』で立て直していくわけです。ちなみにゼネラルマネージャーといっても上のコイツみたいな性格のひん曲がったキャラでは決してありません。


──ほっとけっつの。んーだよ、ったく。こちとらせっかくおまえのつまらねえ弱小エッセイ立て直しにきてやったってのによ~。


 主人公は“確実に”勝利に導くため、とても冷徹な選択も拒まない策を練るわけですね。肩書きばかりでふんぞり返ってるだけのベテランでもバッサリ切っていく。自軍に欠けているパーツを埋めていく。『上手い、下手、人気』などより『誰がなにをどれくらい他者より秀でてるのか』という各種統計を利用した選手選抜を試みます。『セイバーメトクリス』というやつです。長い目で見た時に勝率がかっちり上がるように組み合わせて将棋の駒のように戦略を立てる。偶然に頼らない、そんな軍師となるわけです。



──あいたたたたた……長なげえんだよ、一段落がよ。今どきはやんねえんだぜ、こういうの。まあ、しかし、近づいてきちゃいるな、ペイちゃん。ズバリ言っちゃいなって。


………………へ? なにを?(;゜゜)


──自分で今、言ったじゃーん。ほら、ほらぁ。


 おまえは性格がひん曲がっててクソ野郎。


──そこじゃねーよ! しつけーよ、うるせーよ! 『戦略』ってトコだよ。いいんだよ。この映画の感想なんてその一言でじゅう~~~ぶん伝わっから。あとは全部ボツ。全部消しとけよ、な。


 えーーーーーーっ!

..._〆(´□`;)



──いいんだよ。どんなに時間をかけようがだよ? 丁寧に一所懸命書いたってだよ? この場に必要ないなと思ったら即ボツ! ああ、つまんねぇなって思ったらばーっさりカット! これ当然。切らなきゃおまえが切られんの。わかる? ペイちゃん。世の中数字なんだよ、PVなの。ユニークなの。



………………この映画には、埋もれた人材の発掘、発想の転換、それにかけて、誰にも与えられた可能性、その人にしか出せない一人一人の個性、力、持ち味、さらには切る方の理論、切られる側の言い分、そのつらさ、切なさ、怒り、悔しさ、そんなさまざまな立場の感情をうまく描いているなととても唸りました。


──てめ、なにしれっと続けようとしてんだよ。切れっつっただろ。



 ともすれば冷徹ともいえるゼネラルマネージャーのブラピ君の行動も、彼が過去に“期待に応えられる結果を出せなかった”人間であったという設定にしてあるためか、葛藤と“心”がうまく噛み合っています………………(¬_¬)


──ギクッ! な、なんだよ……見てんじゃねーよ。


 そうか、おまえも可哀想なやつだったんだな。

 (´・д・`)


──ムリヤリこっちに振ってんじゃねーよ! お、俺は出してるよ、け、け、け、結果出してマスよ! おまえ、今、人の過去を勝手に妄想して憐れんでたろ、絶対!



 よって彼が“試合”を見ずに、つまり“現場”を見ずに、ただただ“数字”だけを見つめる姿にまで心が少し揺り動かされるのだな。彼が保身や名声でなく、“結果”を出すために“人を切り貼りする”姿。いってみれば意固地で頑固で、とてつもなく嫌いな上司タイプであるはずの主人公に少し感動させられたことは大きい。



──だいたいさー、なんで今さら『マネー・ボール』なんて映画チョイスするかね? この時期だったらフツー『亜人』だろ? 『ナラタージュ』だろ? いや数字取りたいんなら渡米トカしてだな『スターウォーズ/最後のジェダイ』を公開前に無理クリ見せてもらってだな、ネタバレの感想バーンと書くくらいじゃなきゃダメだっつーの、そんな時代だよ? わかりマス? 先取りよ、先取り、なあ、おい、ペイちゃん! 聞いてんのか?


(# ゜Д゜)うっせーな! 渡米どころかこちとら劇場に行く暇もねーんだよ!


──ヒマ? 金だろ?


(# ゜Д゜)あ~ねえさ、金もねえよ! 劇場に行くまでの電車賃すらねーよ! スンマセンね!


──けっ、あ~あ、やだやだ、みにくいねぇ~貧乏作家の開き直りは。


 とてつもなく嫌いな上司タイプだけどおまえからは何っの感動も受けんな、ホントに……。エヘンオホン、そこには“『金のために』はもうとっくに捨てたんだ”と言い切る主人公の信念。それは──内側かもしれない、外側かもしれない、そんな何かを必ず変えてみせるんだという熱い想いがあるからに他ならない。


──あ、おまえ、今、映画の主人公と自分を照らし合わせて酔ってただろ? おまーな、んなこた実は金のあるやつが言う台詞だからな。そこんとこわかってるか?


 最後に彼自身がそれを態度で見せたこと、きっとこの映画が愛おしい答えはそれなのだ。最後の最後でブラピ君が、彼の助手に見せられる“とある試合のビデオの映像”にはちょっとぐっとくる仕掛けがしてある。それはこの映画の全てを表し、脚本家の旨さを感じた。

 なにが“勝ち”であり、そして何が“勝ちではないのか”? そこに辿り着こうともがき続けること自体が本当の『夢』なのである。


──あ~ダメだ、コイツ完全に酔ってるよ。勘違いパターン突入しちゃってるよ……


 たとえばトップに立つ人、トップを目指す人、そんな大志、野望を持っている未来ある人たちはこの映画を観て、今現在の自分の腹の中と照らし合わせてみるといいだろう。


──だから、おまえ、何様なの? どっから目線だっつってんだろ? 劇場代2000円も払えないやつがトップとか口にしてんじゃねぇよ。



 一見、極端に奇をてらった映画というわけではないのだが、このソース、アイデア、そして何よりその調理法。実をいうとこういった映画をわしゃは“斬新”と呼びたいのですよ。そしてなにより今回のブラピ君はオスから見ても非常にカッコよかった。


 独特のちょっとした仕草やコミカルな表情に加えこのところ渋さも出てきた気がする。若かりし頃、『リバー・ランズ・スルー・イット』でロバート・レッドフォードから僕の若い頃にそっくりだと言われてたが、確かに今回似てるなーとちょっと思ったりね。



 ▼▲▼▲▼▲



 ……て、わけですが。


──ん? こんなモンでいいんじゃないの? まあ、よくわかんねーけど。


 お気付きの方もおられるでしょうが(いるのか?)実をいうとこの原稿ですね、一年くらい前に書いて、まさにボツにしたエッセイなのです(笑)

 当初はまさに地の文だけでした。1500文字くらいでした。完成してはみたものの……


──な~んか、重いなー、固いなー、つまんねーなー、真面目くさった文ばっかだな……


 と、私の脳内に潜むゼネラルマネージャーにダメ出しをくらいまして、その彼とのやりとりを間に挟みつつ再構築したのがこのエッセイでございます。ここまでお読み頂ければ幸いなのですが、おそらく一行半で離脱されてしまった方も多いと思われますので……

(¬_¬)


──な、なんだよ、俺のせいかよ!


 ご苦労、キミ、戦力外通告だから。トレードだから。わかりやすく言うとクビね。悪く思わないでね。

 ( ´,_ゝ`)


──おま…………冷たっ!



 ありがとうございましたm(__)m

 いや~エッセイって本当に難しいもんですね……まだ、書かれたことがない方、おひとつ書いてみてはいかがですか?



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る