ミラーボールと星空――死神役の初仕事

作者 水原 鍵子

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★★★ Excellent!!!

死を与える『死神』それはただの恐ろしい存在でなく、やさしい存在でした。
愛しい人に先立たれた『お婆さん』へ死を宣告にきたとても若い『死神役』とその『役補佐』
三人が綴る最後の一週間は優しくも苦しく、苦しくも愛しい、生を充実した日々だと読みながら深く感じさせて頂きました。タイトルの意味も読み終えると心地良く胸におさまります。心に響く、とはまさにこのこと。大変素晴らしい作品――いえ、素晴らしい人生でした。

★★★ Excellent!!!

 一週間後に亡くなる予定のお婆さんに、死神が良い「死」を迎えてもらうためにやってきます。
 現れた死神は、十六歳の山名と京極。お婆さんは、ずっと善行をしてきた、春子さんという八十歳の方です。死神といっても、善人の春子さんのために呼ばれた優しい魔法使いで、怖い存在ではありません。

 まだ未熟で、不器用な死神たちが春子さんのために頑張るところは応援したくなります。春子さんも、八十歳ですが、彼らに諭されるところもあったり、ときどきキュートだったりします。
 優しさの中で、春子さんを含めた三人が、どんな一週間を過ごすのか、穏やかに見守りたくなります。
 また、春子さんの庭の風景や、お茶請けの金平糖の描写がとても素敵です。

★★★ Excellent!!!

泣きました。
魅力的なキャラクターと実際にそこにあるような場面描写が織りなすストーリーは、引き込まれるには十分でした。最期へと向かう物語のはずなのに、どこまでも優しく鮮やかで、少しの寂しさも爽やかに包んで吹き抜けていくようで……本当に、とても良い作品に出会えたと思います。
最後に、死にゆく側の老婦人と死へと導く側の若き死神たちの物語───そのフィナーレに、惜しみない拍手を。