私が女性向けを取り上げなかった理由

 こんにちは。

 カクヨムさんではビーズログ文庫さん主催の恋愛小説コンテストがはじまっておりますね。私は不参加なのですが、みなさんのよい結果と共に、素敵な作品との出会いを期待しております。


 

 さて、ここまで当エッセイをお読みいただいた方なら、このエッセイがほぼ全くと言っていいほど女性向けのレーベルを取り上げていないことにお気づきの方もいらっしゃると思います。


 

 その理由は至って簡単。

 私が文庫を担当した店ではほぼ取り扱っていなかったためです!(泣)

 


 そうなのです。実のところほとんど何も、女性向けライトノベルについて知らないのです。

 

 雑誌を担当していた1店目のお店では、下手したら男性向けレーベルよりも取り扱いが多かったくらい。

 なのでほぼ全くないという状況を目にした時、最初は戸惑いましたが、私が文庫を担当させていただいた2店目については1店目よりも狭く、置くものも限られておりましたからね。

 おそらくは取捨選択の末やむなく、というご判断だったのでしょう。私の一存ではどうしようもありませんでした。悲しい話ですが仕方ないですね。



 『コバルト文庫』さんや『ビーンズ文庫』などの取り扱いはほぼないに等しく、後述しますがごく一部の文庫を女性向けコミック雑誌の棚の最上段に慎ましく棚差ししていた程度にしか取り扱えませんでした。

 そのため、『少年陰陽師』などの有名タイトルでも、定期購読してくださってる方のためだけに取り寄せるのみで売り場に出す分はない、といった状態だったのです。


 やはり中小の書店ですとこのあたりのジレンマがあるのですよね……


 

 ちなみに女性向けレーベルの歴史は古く、たとえば集英社さんの『コバルト文庫』さんなどは前身の集英社文庫コバルトシリーズレーベルの頃から考えれば、70年台から存在します。

 ただし当初は少女向けに限定していなかったようですけども。

 このあたりの事情は講談社さんの『講談社X文庫』でも同じで、当初はメディアミックスのノベライズを扱っていたのを少女向けに改変し、『講談社X文庫ホワイトハート』として現在に至っています。


 『コバルト』からは新井素子先生などが輩出され、また現在も多くの『コバルト・ノベル大賞』受賞者さま方が第一線でご活躍されているようです。

 また元プロ女流棋士にして自己破産と、波乱の経歴を持つ林葉直子さんが『講談社X文庫』草創期の大人気作家だったということでもご存じの方もおられるかもしれませんね。


 

 女性向けのレーベルは『マリア様がみてる』などで非常に有名な『コバルト』などの従来型少女向け小説レーベルと、『BL』ないし『耽美』といわれる男性同士の恋愛・ボーイズラブを専門とするものの2種類に大別されます。


 カドカワさんのレーベルで言うと歴史のある『ルビー文庫』、それと『B-PRINCE文庫』がBL、『ビーンズ文庫』がファンタジー中心のライトノベルレーベル。

 そして、女性向けゲーム雑誌『B's-LOG』から名前が取られたエンターブレイン女性向け小説部門が『ビーズログ文庫』※です。

 ※姉妹レーベル『ビーズログ文庫アリス』もあります

 

 このあたりですかね? 漏れがあったらすみません。

 


 またこれらとは別に最近急激にレーベル数を伸ばしている第3のジャンルが、『ティーンズラブ(TL)・乙女系』女性向け官能小説レーベルです。

 カドカワさんでいうと『フルール文庫』のルージュライン(ブルーラインがBL)、『ジュエル文庫』がそれにあたるのでしょうかね?

 

 これら女性向け官能小説レーベルは従来強かったBLと共に新規参入が相次いでおり、私の担当していた時でも気がつけば1つ2つ、レーベルが増えてるなんてことも珍しくありませんでした。


 実は先述しましたごく一部の文庫というのは、これらのちょっとエッチな小説群なのです。

 

 これらの女性向けはレーベルごとに月に1~3点程度なのでそこまで極端に場所を取ることもなく、またいわゆる『レディコミ』――レディースコミックといわれる大人向けな内容も含む雑誌の売れ行きが強かったということもあり、少数ではあるものの毎月仕入れておりました。


 『GATE』がアニメ化された際、普段『アルファライト文庫』の取り引きがなかったアルファポリス様に電話をかけて取り寄せてもらったというエピソードを以前お話したと思いますが……

 

 実を言うと女性向け官能レーベルであるところの『エタニティ文庫』についてはずっと取り扱っていたんですよね(笑)

 


 と、こんな事情で少女向けレーベルについてはほぼまったく知識がないのと比べ、いわゆる『乙女系』『BL』レーベルについてはある程度知っているという(笑)


 そしてこれがまたポツポツと売れるんですよね。手堅く。最上段の棚差し、というやや冷遇気味のポジションにも関わらず。


 このあたりは男性向けの『フランス書院文庫』などの官能小説の売上が地味ーに強いという事情と重なるところがありますね。

 もっとも、そのフランス書院さんも女性向け官能レーベル(ティアラ文庫など)を出しているということは意外と知られてないかもですね。


 というかレーベルの多さが『スニーカー文庫』などの少年向けライトノベルレーベルと比較にならなくてですね……ここでは取り上げきれないほどです。

 女性向けはそのジャンルによってレーベルの色がはっきり分けられている関係上レーベル数も自然と多くならざるをえないのですよね。

 毎月各出版社さんの新刊刊行予定をチェックするのがかなりしんどかったのを覚えています(笑)

 出版社さんとレーベルさんがなかなか一致しなかったなんていう苦労もありましたね。


 女性のみなさんは書店でそういった本を買いづらい、という思いもおありかもしれませんが、けっこうカジュアルにというか普通に買っていかれる方も多かったですよ。レッツトライ。

 

 

 さて、ちょっと話を変えましょう。

 ほぼ取り扱ってないとはいえ、『コバルト文庫』や『ビーンズ文庫』さんのような少女向けのレーベルを完全に無視するのはもったいない。


 というわけで、たとえば『文豪ストレイドッグス』のアニメ化が発表された時は、ノベライズのビーンズ文庫を取り寄せたりはしてました。


 ただ、小さな女の子を中心に問い合わせがあった『告白予行練習』シリーズ。HoneyWorksさんの楽曲を元に小説化された作品、ですよね?

 これに関しては導入を見送ったことを今でも後悔しています。

 いや本当に何度も何度も聞かれたんですよ。ほんとに小中学生くらいですかね、小さな子たちばかりでした。ニコニコとかのネット文化はほんと小さな子たちにも伝播してるんだなあと思った次第です。


 だったら入れとけよ、って話ですよね……はい……

 コミナト、無能。

 


 ……おっと。ちょうどよいくらいの分量になりましたかね。

 本日はここまでとしましょうか。


 かくして私はビーズログ文庫さんについてほとんど知らず、レーベルさんの求めるお話のカラーを把握するのが難しそうだなあ、という理由で今回の恋愛小説コンテストの参加を見送らせていただいているのですが、もったいないかなあという気がしないでもないですね。


 次にお話させていただこうかなあと思っている内容もだいぶ固まりつつあるので、こちらのエッセイの更新はなるべく早いうちにさせていただこうと思ってます。


 ……とでも言わないとまたズルズル先延ばしにしちゃいそうなので……


 それでは、女性の読者さまに怒られない限り、近いうちにまたお会いしましょう。

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