あまたの出会いはここでは書ききれなくて
ここまでのお話にお付き合いいただきましてありがとうございます。
3章は私の書店員時代の出会いを中心にお話させていただきました。
今回の更新は「人間関係編」とでもいうべき第3章の締めにかかるもので、特段面白いものではないと思いますが……よろしければお付き合い下さいませ。
正直な話、1店舗目での出会いも含めますと面白い話はまだまだありまして、それだけでこれまでの文字数分は書けるレベルなんですが……
あまりにプライベートに立ち入りすぎるために取り上げられない話の方が多くてですね……(笑)
書店についてのお話、というテーマとかけ離れた人間ドラマになってしまいますからね。そういうお話ならば「現代ドラマ」にでも投稿しておいたらよかったのでしょうけれど、残念ながらこれはあくまでもお仕事エッセイですから(笑)
……これまでの内容、お仕事エッセイですよね?(読者さんに聞くな)
そのお仕事エッセイではありますが、今回の話だけは「書店」という部分から少しだけ外れて、これまで取り上げなかった人間関係について簡単に触れておきたいと思います。
こういう人たちが私と共に仕事をしていたんだ、というような感じで受け止めていただけますとさいわいです。
私が独り暮らしをはじめて最初に入ったのが1店舗目の書店さんでした。
最初のあたりでも触れましたが非常にキャリアの長い人たちばかりで、中には10年近く勤めていらっしゃった方もいらっしゃいました。
系列店では20年~30年くらい勤めていた方もいた、という話を聞いたことがありますね。
私が特に仲良くさせていただいていたのは、声優やナレーションなどをこなしながら掛け持ちしていらっしゃった男性の方と、2児の母である女性。
そのおふたりを中心にして、ほかのメンバーなどもちょいちょい誘いつつ、カラオケに行ったり、焼肉とか色々なお店に行ったりしておりました。
某歌姫が好きな女性の方についていってライブコンサートにも行ったり、男性の方とは某国民的アイドルグループの総選挙の開票を映画館で観たり(笑)
懐かしいです。
最近久しぶりに女性の方と再会した時に、散り散りになった1店舗目の人たちの消息も同時に聞くこともできました。
その女性の方もそうなんですが、また書店でお仕事をしているという方もいらっしゃるというお話を耳にしたとき、「あぁ、やっぱりそうなんだなあ」と思い少し安心しましたね。
書店員さんだった人が、紆余曲折ありつつも、また書店員さんに舞い戻る。
仕事内容の応用が利くという部分もあるのでしょうけれど――やはり、本屋の雰囲気が好きな人にとってとても居心地がよいからということのようです。
今は別のお仕事をしてますが、かくいう私もそうでしたからね。
ほかにも面白い人がたくさんいましたね。
洗濯機がないから洗濯板でゴシゴシ洗ってるんです、なんていう信じられないほどの極貧女子とか、男性顔負けの熱血ロボットアニメ好きの女子とか。
……少年マンガの方が好き、っていう女性がそういえば多かったなあ。
中には何人かでルームシェアしながら住んでた男の人とかもいました。料理が好きで、食材をルームメイトに負担してもらう代わりにきっちり人数分作っていたりしていたらしいです。
私料理は簡単なものしかできないクチでして。料理をすることが苦じゃないなんて羨ましいなあと思いながらそんな話を聞いていたのを今でも思い出します。
マンガ家志望で、実は私の知っていた段階でも編集さんがついていたらしいので、もしかしたら今頃売れっ子さんだったり……かもしれませんね(笑)
取引させていただいていた版元の営業さんとか、お客さまでも面白い人たちがいっぱいいました。
もっともっと色々な方をご紹介したいですし、書店の内外で起こったあれこれを書き出したい気持ちもありますが……このへんにいたしましょう。
私が書店員として過ごした時期はとてもかけがえのないものであり、私の人生でもっとも楽しく充実していた時だったかもしれません。
そのもっとも楽しかった時期に多くの人と関われたことに、ただただ感謝の念しかありません。私の行っていた店舗はどちらも現存せず、懐かしい思い出と共にフラッと立ち寄ることもできないのは残念ではありますが……
この時の出会い、思い出は私の一生の宝物として胸に刻まれていくことでしょう。
その時の書店員仲間と、それまでお店を支えてくださったお客様。書店を縁の下の力持ちで支えてくださった出版社さんや取次さん。そして売り場を彩ってくれた作品たちとその作者さま……すべての方に感謝を申し上げたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
……あれ、こいつ締めに入ってない? これこのエッセイ終わりの流れ?
そう思った方々。ご安心下さい(?)
エッセイコンテストのひとつのラインである5万字をやや超えながらもこうして(なかば力業で)一区切りを迎えましたが――私はいわゆる「書いてみた」系でございますので……私自身が満足するまで続くのだ(笑)
ククッ、我が刻みし言の葉――未だ尽きるを知らず!
諸君に今以上の、文字の快楽を与えよう!
……ゴホン。失礼しました。
この中二病めいた発言は冗談としても、私がこのエッセイを更新し続けることを通じて少しでもカクヨムというサイトを盛り上げるお手伝いができましたら、この上ない喜びでございます。
これからの予定としましては、ひとつだけ「書店員時代にこうしておけばよかった!」と最近本当に後悔していることについて書かせていただいたあと、新たな章に進みます。
その新たな章が、このエッセイを書くにあたって最初に思いついた「隠し玉」となります。本来このエッセイの最後に載せる予定だった"最後"の隠し玉であるところの第2章とも、またこれまでお話させていただいたこととも大きく異なった「お祭り」的な内容となります。是非ご期待頂ければと思います。
その新章はそこまで長く続かない予定なので、そこからは書店員さんにとってはごくありふれた、書店員あるあるの話に戻っていくと思います。
いやもういいからこれで終わりにしとけよ、と多方面からツッコミを頂かない限りは、またお会いしましょう。
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