タイガー〇・バーサス・ジャイア〇ツ!(2/3)
「
山田ヒロハル青少年は頭を上げず、ただ返事を待つ。
彼からは、松本氏の様子が見えないので、我が輩が状況を解説することになるが、松本氏と頭のトラは、言葉通り目が点になっている。
だがしばらくして、松本氏は徐々に頬を赤らめていくのが見て取れる。
「え……
その答えに、山田ヒロハル青少年は思わず頭を上げる。
「いえ! 冗談なんかじゃありません! 私は……私はアナタのことが本当に好きなんです!」
正直、冗談と捕らえられたことは、非常にショックだった。
それだけで泣きそうになるが、まだ答えは出ていない。
そう、答えはまだ聞いていないのだ。
松本氏は、戸惑いの表情を見せ、目を泳がせながらしどろもどろになる。
「え、
すると、告白してから今まで黙っていた松本氏の頭のトラが、口を開く。
と、トラは睨み、ドスの利いた声で確認する。
山田ヒロハル青少年は、松本氏に悟られないよう静かに頷く。
すると、トラは松本氏の頭の上で座り直す。
トラは息を吸い、言葉を吐き出す用意をする。
松本氏はオドオドしながらも意を決し、
……頭を下げるのであった。
「……」
山田ヒロハル青少年は……いや、山田ヒロハル青少年の頭の中に、松本氏の声が響き渡る。
それだけである。
「……はい」
……山田ヒロハル青少年よ。これは自分で分かっていたことなのだ。
別に気にする必要はない……
考え過ぎなくて……よい。
「……スト……レス?」
山田ヒロハル青少年よ……その言葉は聞かなくて良い……君のせいでは……
「え……」
こんなところで……川崎氏の……思い出しても……
「傷つく……」
……山田ヒロハル青少年よ、余計なことを……考えるな。
我が輩の……言葉を聞くのだ……
「……」
山田ヒロハル……青少年の……せいでは……
「……はい」
考えるな……青少年よ
「……」
……
「ゴミと……」
……同じ
「山田
「松本先輩の……敵……私は、敵で……」
……女性を苦しめる……悪意
父親と……同じ……
「松本……先輩に……めいわく、を……」
母を狂わせ……身勝手に振る舞っていた……父と一緒……
母の……言っていた……通りだった……
父親の血を受け継いだ……
女を不幸にした男の子供……
「わたし……は……」
結局……自分の本質は……
か え ら れ な い
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