こりす書房

作者 六月雨音

玻璃の音*書房 のお庭に住むコリスくん。

  • ★★★ Excellent!!!



作者さまの作品、『玻璃の音*書房』の
スピン・オフである本作。
余談ですが、この『こりす書房』を読むにあたって
『玻璃の音』のほうも最初から読み直してみました。
そして目が開かれたような気持ちになりました。
ああ、わたしはこの世界が大好きなのだと
あらためて感じるのとともに、まえに読んだときには
いったいなにを見ていたのだろうと自問するほどに
そこに広がる景色に初読のときよりもずっとずっと強く
心を奪われてしまいました。
(もちろん、初読のときからこの世界が大好きだったけれど、
再読のこの心の惹かれ方は自分でもちょっとびっくり
するほどだったのです。)

それから自分のレビューのいたらなさに、
「この作品の良さをぜんぜんつたえられていない!」と眩暈を覚えた。
一面の雪景色、足跡もないような新雪。
そんな清くて白くて、不思議に温かいものを表現したかったのに
それはまったく失敗に終わっていたことへの自分自身に対する失望。

おなじようなものを、この『こりす書房』のレビューを
あとから振り返ったときに感じるかもしれない。
もう少し話がすすむまで待つべきではないか、と
自問自答しながら、でもやっぱり書かずにはいられなかった。
このやさしさに満ちた世界が心から大好きだから。
感性というものはこういうものだと教えてくれるような、その世界が。
その「大好き!」という気持ちをおつたえしたくて
いろんな方に知ってほしくて、レビューを綴ってしまいました。

コリスくん、お仕事がんばってね。
『ちいちゃんのかげおくり』、わたしもむかしの
教科書を引っ張り出して読んでしまったよ。
きみが浮かんだ大海のなかに、わたしの涙もあったのかな。

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